
送検される立花孝志容疑者(写真・馬詰雅浩)
政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者が11月9日、兵庫県警に逮捕された。1月に亡くなった兵庫県議に対する名誉棄損の疑いだが、じつは、兵庫県議会の百条委員会委員長だった奥谷謙一県議からの名誉棄損事件ではすでに書類送検されており、また、「私人逮捕」であると称して暴力沙汰になった事件では被害者から逮捕監禁致傷罪で刑事告訴もされている。今回の逮捕により、兵庫県警は“棚ざらし”状態になっている一連の事件の捜査もする方針と見られている。大手紙の地方版担当記者がこう明かす。
「身柄を拘束したのは予想外でした。現職市長が学歴詐称疑惑で失職した静岡県伊東市の市長選挙への出馬を表明していた立花氏ですが、実は、10日には出馬会見をする予定だったようです。ただ、兵庫県知事選から地方自治体の首長選挙に繰り返し立候補している狙いは、当選よりも『候補者』を理由に逮捕を逃れることだったと言われています。直近では、立花氏が主にドバイへの海外渡航を繰り返していることから、どうやら兵庫県警は、海外逃亡の恐れがあるとして逮捕状の請求に踏み切ったようです」
しかし、伊東市長選に立候補することを表明している立花容疑者の逮捕は、公権力による選挙介入の非難を受けかねない。それでも兵庫県警が逮捕に踏み切ったのは、立花容疑者の金銭事情がある。先の記者がこう続ける。
「伊東市長選については、供託金の100万円が用意できるか微妙な状態だったとも言います。そもそも、立花氏は億単位の借金や税金の滞納を公言していますが、今年5月には『みんなでつくる党』から、業務上横領の疑いで刑事告訴もされています。立花氏が『みんなでつくる党』の代表を務めていた際、支持者から集めた約8億円のうち約3.5億円が立花氏に無担保で貸し付けられ、返済不能になっているというのです。
『みんなでつくる党』は先月末に破産が確定し、破産管財人は立花氏に返還請求をする予定といいます。兵庫県警は、金銭に窮した立花氏が、『何もかも放り投げて海外逃亡を図る』と考えたのでしょう」
国政選挙や地方首長選挙でSNSを駆使し、時に混乱を生み出してきた立花容疑者。これを機に、法規制が待たれる。
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