国光外務副大臣、事実誤認で官房長官から異例の注意…かつて本誌で「サクラ動員」「投票日のビラ配り」疑惑報道

 

　11月10日、木原稔官房長官は事実誤認のSNS投稿をした国光文乃外務副大臣を注意したことを記者会見で明らかにした。

 

　国光氏は、高市早苗首相が7日の衆院予算委員会の答弁準備のために午前3時に“出勤”し、準備を始めたことをめぐり、同日夜自身のXに《午前3時に出勤が必要なのは、そもそも『（特に野党の）質問通告が遅い』からです》とつづり、さらに《前々日の正午までという通告ルール、どれほど野党議員が守っていますか？》と投稿していた。

 

　政治担当記者が言う。

 

「質問通告のルールについては、1999年に与野党が『前々日の正午まで』と申し合わせしていましたが、2014年以降、『速やかな質問通告に努める』と変更されていたため、事実誤認と判断されました。また、木原官房長官は北方領土を“外国”と表現した黄川田仁志沖縄北方担当相も注意したことを会見で明かし、2人の大臣、副大臣を続けて注意する異例の事態となりました」

 

　国光氏は10日夕方、誤りを認め自身のXに《現在も、前々日の正午までという質問通告ルールが続いていることを前提とした当方の投稿は、事実誤認であり、撤回させていただくとともに、国会でお決めいただく質問通告のルールについての発言は慎重であるべきでございました。関係者の皆様にお詫び申し上げます。当該投稿は削除いたします》などと投稿し、陳謝したのだった。

 

　その国光氏について、本誌「SmartFLASH」は2021年11月と2024年11月に、それぞれ異なる疑惑を報じていた。いずれも衆議選にかかわるものだった。

 

　2021年11月には、同年10月の衆院選で、茨城6区の国光氏のもとに岸田文雄首相（当時）、安倍晋三元首相（当時）がそれぞれ別の日に応援演説に駆けつけた際、国光氏の支援団体が日当5000円を支払って聴衆を集めていた「サクラ動員」疑惑を報じた。

 

　当時、政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は本誌にこう語っていた。

 

「もし、この日当の資金が議員やその政治団体から出ていて、受け取ったのが国光議員の選挙区内の人であれば、公職選挙法違反の『寄付』にあたる可能性があります。支援団体から資金が出ているなら、違法な『寄付』と認定するのは難しいでしょう。しかし、文書は『関係支部長各位』宛てで、国光候補を『推薦者』と記載しており、支援団体ぐるみで国光候補を応援していることがわかります。つまり、支援団体が『選挙運動』をしていると解釈できます。投票を期待して日当を支払った場合は『投票買収』、街頭演説を盛り上げるために日当を支払って観客を動員し、拍手や声援をおこなわせた場合は『運動買収』となり、いずれも公選法違反の可能性があります」

 

　当時、国光事務所は本誌の取材に対し「ご質問の内容については、まったく承知しておりませんので、コメントは差し控えます」と回答し、支援団体は「コメントは差し控えさせていただきます」と回答した。本誌の報道後、「日刊ゲンダイ」や「週刊文春」、そして一般紙もこの問題を報道。支援団体側は、岸田氏が来た際には21人、安倍氏のときは3人にそれぞれ日当を支払ったことを認めたのだった。

 

　2024年11月には、同年10月の衆院選の際、国光氏自身が、公職選挙法に違反する「投票日当日のビラ配り」をおこなっていたことを、当日の様子を見ていた選挙区内の有権者の証言や証拠動画などで確認し報じた。

 

　選挙運動は、公選法第129条で《告示の日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない》とされている。

 

　当時、茨城県選挙管理委員会の担当者は本誌の取材に対し、「実際におこなわれていることに選管として判断する権限はありませんが、選挙運動は投票日の前日までと公選法で決められています。選挙当日にビラを配る行為などが選挙運動と警察当局に判断されれば、公選法に抵触する恐れがあります」と見解を示していた。

 

　当時、本誌記者は国光氏本人の携帯電話に何度も連絡したが、留守電になったまま一度も繋がることはなかった。また、国光事務所に質問状を送ったものの、期限までに回答は寄せられなかった。

 

　今回の木原官房長官から注意を受けたという報道に対しては、X上には、本誌の国光氏に関するこれらの報道を思い出す投稿もみられた。

 

《そもそも、この国光文乃って、当時の岸田首相が選挙応援に来るんで1人5000円払って『サクラ』を集めた疑惑に「知らない」と逃げた人…やっぱり『いい加減』》

 

《この人物は何度も政治資金収支報告書の「不記載」をしている上、公選法違反の有権者買収疑惑、そして同法で禁じられている投票日当日の選挙運動をしていたような人物です。こんな人物を「副大臣」にした高市早苗首相にも責任があります。》

 

　政治家に誤情報を流されるなんてたまったものではない。