
11月4日に会見を開き、“公金還流疑惑”について言及した藤田文武共同代表(写真・長谷川 新)
「『しんぶん赤旗』が追撃してくることは十分、予想できたのに、なぜあんな強気な会見をしたのか。理解ができません」
日本維新の会の共同代表、藤田文武氏についてこう、あきれ顔で語るのは、閣僚経験もある自民党議員だ。
藤田氏が、公設第1秘書の会社に8年間で約2000万円もの公費を支払って、選挙ビラなどの制作を依頼していた問題。疑惑を報じた「しんぶん赤旗」が、続報を報じた。報道によれば、秘書の会社から発行された領収書に収入印紙が貼られていないことがわかったというのである。この件を取材している、大手紙の政治部記者が解説する。
「収入印紙のない領収書は17枚だそうです。収入印紙を貼り忘れた場合、過怠税の支払いを求められる場合があるほか、今回の事案に印紙税法違反の可能性を指摘する声もあります。
藤田さんは会見で、『赤旗』の質問期日が翌日になっていたことなどに異議を唱えるなかで『商慣習を知っていれば当然』などといった趣旨の発言を繰り返していました。しかし、それは印紙の貼り忘れに気がつかなかった藤田さんも同じです。商慣習云々といわれても、説得力に欠けてしまいます」
また、公設秘書の会社については、吉村洋文大阪府知事が代表の日本維新の会大阪総支部ほか、同党所属の地方議員の政治団体も選挙ビラなどを発注していたことを、各紙が報じている。先の政治部記者がこう続ける。
「藤田さんは、問題となった公設秘書の会社との取引について、『違法性はない』という以外の説明はしていないに等しく、公設秘書の兼職が多いことについても、『スーパービジネスマン』といった抽象的な表現に終始しています。また、もし維新が組織として、藤田さんと関係が深い会社に選挙ビラなどの発注をしていたなら、価格をどう決めたのかなど、合理的な説明が求められるでしょう」
いずれにせよ「しんぶん赤旗」の続報で、強気一辺倒だった藤田氏の会見は裏目に出た、という見方もされているのだ。そもそも原資が公金である以上、「知人・関係者への発注は慎重であるべき」との議論もされている。冒頭の自民党議員がこうつぶやいた。
「聞いた話では、取りざたされている公設秘書と藤田さんとは、仕事上のつき合いが長いそうです。信頼していたからこそ、公設秘書にもしたのでしょう。ただ、公設秘書は地元事務所担当だったはずですが、地元関係者も選挙の期間中以外はほとんど見たことがなかったともいいます」
藤田氏は今後、この問題にどう対応するのか。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







