
送検される立花孝志容疑者(写真・馬詰雅浩)
11月9日、元兵庫県議の竹内英明さん(故人)に対する名誉毀損容疑で、政治団体『NHKから国民を守る党』(NHK党)の党首・立花孝志容疑者が兵庫県警に逮捕された。
「立花容疑者は、2024年12月、自身が立候補していた選挙の街頭演説で、斎藤元彦兵庫県知事の疑惑を調査する百条委員会の委員をつとめていた竹内さんに対して、『警察の取り調べを受けているのは間違いない』などと虚偽の発言を繰り返しました。
2025年1月、誹謗中傷を苦に竹内さんが自死した翌日には『どうも明日逮捕される予定だった』と、またしてもウソの情報を発信。その後も、『気の毒だが自業自得』などと竹内さんへの口撃を繰り返し、竹内さんの妻から6件の刑事告訴を受けていました」(社会部記者)
11月10日午前、検察庁に身柄を送られた立花容疑者だが、これに「ありえない」と異を唱えたのが、キャスターの辛坊治郎氏だ。
辛坊氏は10日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「例の斎藤さん、兵庫県知事にからんで立花さんが捕まりましたけども……」と切り出すと、兵庫県警が立花容疑者を逮捕したことに「国家権力が名誉毀損で政治家を逮捕し始めるというのは、ちょっとこれ、由々しき事態だな」と発言。
「名誉毀損というのは、アメリカなんかでもそうですけど、民事で白黒つけるべき話で、警察、権力が関与するというのは、私は間違ってると思いますね」
と、名誉毀損に対する国家権力の介入を問題視した。
「さらに辛坊氏は、『警察権力が政治家を名誉毀損で逮捕するというような事態は、“日本の民主主義にとってまずいよ、これ” っていう認識がどっかに必要だろうと思うんですけども、なかなかそういう意見って出てこないですね。困ったもんだなと、私は実は思っております。ちょっとこれはありえない事態だな』と語りました。
そのうえで、『結局、斎藤さんが再選して当選したことに、不満を持ってる人たちの大きな流れのなかで起きた事件だ、というふうに私は考えております』と私見を披露しました」(同)
こうした辛坊氏の意見に、X上では、
《珍しく、辛抱さんに同感です。逮捕に関して、きな臭い感じがする》
と共感する声がある一方、
《民事でどうにも出来ない、明らか犯罪に警察が介入するのは何の問題もなかろうよ》
《ただの名誉毀損ならその通りだが、今回は警察が介入する必要があった。名誉毀損の範疇を超えている》
など、批判的な声も寄せられている。前出の記者がこう語る。
「立花容疑者の “暴走” ぶりはメディアでも大々的に報じられていました。一方で、キャスターとして辛抱さんが、国家権力は常に抑制的であるべきだと主張するのは一理ありますよね。
辛抱さんといえば、読売テレビに入社して以来、アナウンサーとして活躍。1990年から『ニューススクランブル』のキャスターに抜擢され、同番組を育て上げました。以後、舌鋒鋭いコメンテーターとしてさまざまな番組で活躍しています。
物議を醸すことも多いですが、広く議論を呼ぶような視点の鋭さは健在といえそうです。
今回の件をめぐっては、選挙運動など、日本のシステムの一部が、SNS社会にまったく適応できていないのは間違いないことでしょう。立花容疑者ひとりのせいにせず、制度を悪用されないためにはどうすればいいのか、しっかりと考える必要があるのです」
“異例の逮捕” の当事者となった立花容疑者は、10日午前、検察庁に身柄を送られる際に、後部座席から白い歯を覗かせていたことも話題となった。司法はどんな判断を下すのか。
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