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自称「元ジャニーズJr.」男が芸能界志望の女性を次々と食い物に…4000万円詐欺と“性加害マッサージ”疑惑を本人に直撃

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記事投稿日:2025.11.17 06:00 最終更新日:2025.11.17 08:58
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
自称「元ジャニーズJr.」男が芸能界志望の女性を次々と食い物に…4000万円詐欺と“性加害マッサージ”疑惑を本人に直撃

自称元ジャニーズJr.のX(写真・吉田 豊)

 

 2022年に、日本映画業界における性加害やハラスメントが大きく取り沙汰されてから約3年ーー。芸能界を志す女性を食い物にする人間は後を絶たないようだ。

 

「初めはぜんぜん信用していなくて、電話番号に詐欺師って登録していたぐらいなんです」

 

 と、くやしさをにじませながら語るのは、元声優で、現在はフリーでナレーションやMCなどをおこなう40代の女性・Aさんだ。

 

 Aさんは2025年2月、元ジャニーズJr.のメンバーで、芸能事務所社長を名乗るXという男性から声をかけられた。

 

「私が『Pococha』という配信アプリで配信していたところ、『声がいいね』とメッセージがあり、それからアプリを介して連絡先を交換して、直接やり取りをするようになりました。Xは『俺は芸能界に深いパイプがあるから、仕事を紹介できる』と言っていたけれど、もちろんそんなうまい話があるわけないと思い、信用していなかったんです」

 

 だが、Xはあの手この手を使って、Aさんを信用させた。

 

「太った中年男性で、とても元ジャニーズJr.とは思えない風貌なのですが、亀梨和也さんと同期だったと自称し『NEWSとしてデビューするはずだった』『ジャニーさんにこんな風に言われた』など、ペラペラとよどみなく話すんです」

 

 実際、Xを通じて元KAT-TUNメンバーに会ったこともあるという。

 

「田口淳之介さんです。新宿・歌舞伎町にある、田口さんがプロデュースしたショークラブに連れていかれたんです。そこで、田口さんと山名さんが親し気に話していたので『本当に芸能界の人なんだ』と信じてしまったんです。ほかにも、実在する芸能事務所に連れていかれ、社長を紹介されたこともあります」

 

 Xを信用してしまったがゆえに、彼女の運命は大きく変わった。それ以来、半年間で4200万円ものお金をだまし取られたというのだ。その手口はこうだ。

 

「Xが持ってくる仕事は、世間で広く知られている大手会社やアニメなどのものばかりでした。報酬は100万円を超えるものも多く、なかにはワンピースの作家・尾田栄一郎先生の新作のアニメ化で、主演級の声優の仕事を2500万円で提示されました。

 

 そのうえでXは『仕事を受けるうえで条件があり、報酬に対し“買取”といって、お金を払わないといけない』と言ってくるのです。2500万円の仕事の場合は、買取額は100万円。芸能界のルールにうとい私は、そんなこともあるのかと納得してしまい、言われるがままに振り込んでしまいました」

 

 当然、芸能界でキャスティングを受ける側が先に現金を振り込むことなどありえない。だが、“有名になれる”“後から報酬が振り込まれる”と信じたAさんは次々と入金。Aさんが書き残した仕事のリストによれば、「かんぽ生命」や「東急歌舞伎町タワー」、「サマーソニック2025」など、多岐にわたるジャンルのナレーションに加えて『ワンピース』や『プリキュア』『ドラえもん』など、実際に存在するアニメの声優業も含まれている。

 

「結果的に、148件の仕事を振られ、合計4200万円を振り込んでしまいました。実際にスタジオで収録したものもありますが、結局、振られた仕事は何ひとつ実現することはありませんでした。8月下旬、いよいよ貯金がもうすぐ尽きるので『もうお金がない』と伝えたところ『行列のできる相談所』(日本テレビ系)のナレーションとして出られるから『旦那に借りてでも150万円の買取額を用意してほしい』と言われました。ここでさすがにおかしいと思い、返金を求めましたが、結果的にいまにいたるまで1円も返済されていません」

 

 すでに警察に相談しているというAさん。だまし取られたお金は、持病と戦いながら必死に働いて貯めたものだった。

 

「大学時代に発達障害があると診断されました。いつ働けなくなるか分からないので、社会に出てからはいつも節約して、貯めてきたんです。コロナ禍にうつ病が再発し、仕事を辞めて療養していたのですが、YouTubeやPocochaに挑戦できるくらいに体調も回復してきたところで、いきなり貯金がゼロになってしまいました」

 

 Xの被害者は後を絶たず、別の50代女性・Bさんは「ストリートライブがきっかけでした」と明かす。

 

「彼との出会いは2024年10月のことでした。埼玉県の大宮駅前でストリートライブをおこなっているときに、通りかかったXに『おもしろいね。また見に来るから』と声をかけられて、連絡先を交換しました。

 

 私は、2021年に49歳で一念発起して、シンガーソングライターとして活動を始めました。背骨に腫瘍が見つかり、大手術を経て闘病しながら活動している私に、Xは『芸能関係の仕事をしているから応援するよ』と言ってくれたのです。その後、テレビ番組に取り上げてもらえるから、ライブを開いてその様子の動画を撮ろうといわれました。それ以来、Aさんと同じような手口で合計62万円を支払ってしまいました」

 

 被害者たちの証言に共通するのが、配信アプリやストリートライブで偶然を装って近づき、実際にある番組名や芸能人の名前を出して信用させるという手口だ。20代女性のCさんは、金銭のみならず“性加害”にあったと声を震わせる。

 

「私はインフルエンサーやモデルになりたくて、動画配信サイトで配信をしていたんです。そうしたら『芸能の仕事を紹介するよ』と、リスナーのひとりとして声をかけてきたのがXでした」

 

 同じ手口でXのことを信じ込んでしまったCさん。6月には「仕事を紹介する」という名目で東京に呼び出されたという。

 

「そこから、地獄の1週間が始まりました。まず最初の夜、同じホテルに宿泊したのですが、『Mrs. GREEN APPLEのMVに使う素材がほしい』と、裸の背中の写真を撮ろうと言われたのです。その場で1万円を渡され、断り切れずに撮られました。背中だけという話だったのに、裸で全身を撮られました」

 

 そこから1週間以上にわたり、“営業”という名目で、CさんはXと行動をともにすることになった。

 

「本当に芸能界で力を持っている人だと思ったし、急に不機嫌になることもあり、怖かったです。そして6月17日、ホテルで『モデルを目指すんだったら、いまの体重から落とそう』と言われ、『背中や体のツボを押して細くできるから、施術しよう。実際にベッキーちゃんも、ほかの子たちも細くしたから、細くなれるよ』と、体をさわられました。最初は足のマッサージで始まり、背中やふくらはぎをマッサージしていましたが、胸をさわられたり、女性器のなかにツボがあると、指を入れられたりもしました。さらにその後、表情筋を鍛えるためだといって、Xの男性器を舐めさせられ、体の形をきれいにするために芸能人もやっていると、疑似セックスのようなことを要求されました。

 

 本当に気持ちが悪く、恐ろしかったですが、ここで抵抗したら自分の芸能人生が終わってしまうと思い、従うことしかできませんでした」

 

 Cさんはさらに、「キスの演技の練習をする」という名目で、Xと無理やりキスさせられたという。

 

「最終日には、『鬼滅の刃』を制作した会社の、ショートアニメの宣伝PVに出させてあげると言われ、30万円を支払わされました。なぜあのとき信じてしまったのかと、後悔しています」

 

 Cさんが地元に帰ったあとも“性加害”はあった。

 

「東京ガールズコレクションで売り出すために、どう体づくりをすればいいか指導したいと言われ、食事や運動のアドバイスをもらおうとしたところ、裸の写真を送るように指示されました。なぜか下着も脱いで、局部がよく見えるようにと言われ……。怖かったので、従ってしまいました」

 

 Cさんが一連の性加害で受けたダメージは深刻で、たびたびフラッシュバックするようになり、体調不良で配信活動にも支障をきたすようになった。その後もXからは何度も上京するように言われたが、断ったという。

 

 きらびやかな芸能界の仕事を餌に、次々と夢みる女性を食い物にするX。本誌は、田口淳之介にXとの関係について尋ねたが、所属事務所は「記憶および面識がございません。また、その方がジャニーズJr.に在籍していたという話についても、本人は把握しておりません」と回答。さらに株式会社SMILE-UP.に、ジャニーズJr.に所属していたかどうか確認したところ「過去に所属していた事実は確認されませんでした」との回答だった。

 

 Xは真っ赤なウソで塗り固められた経歴を元に、次々と女性をだましていたというわけだ。本誌は真相を確かめるべく、関東近郊で暮らすXを直撃。すると意外なことに“詐欺行為”をすべて認めた。

 

「Aさんについては、正直、嘘をついていた部分がすごく多いです。ほとんどは酒代に消えました。ある個人的な事情で、孤独感に襲われて、夜も眠れないとか、そういうのもあって、酒に走って抜け出せなくなりました。嫌な思いをさせたとは思っているので、なんとかして返済したいと思っています」

 

 一方、Bさんの件については「仕事はあったがテレビ局の都合で放送されていない」と強弁。さらにCさんへの性加害についても、にわかには信じがたい主張をする。

 

「以前、都内でサロンをやっていたことがあり、体を絞りたい人や胸を大きくしたいという人に施術をおこなっていました。Cさんへのマッサージも同じもので、事前に脱いだり、性器を触ることになることは了承をもらっていました。下腹部を施術する際に、女性器のなかに気泡のようなものがあって、指を入れてそれを潰していくことになるというのも伝えています。男性器で表情を鍛えるのも本当です。嫌な思いをさせたのなら謝ります」

 

 と、一連の行為には事前に承諾を受けており、問題ないと主張するのだ。冒頭のAさんはこう憤る。

 

「一度、私が抗議してから、数十万円程度のおカネをもって謝罪にきたことがありました。ただ、私は1円も受け取るつもりはありません。しっかり刑事事件として捜査を受けて、自分の罪を償ってほしいと思っています」

 

 これ以上の被害者が出ないことを望むばかりだーー。

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