
国民民主党の玉木雄一郎代表(写真・長谷川 新)
「よく知らないことは、質問しないでください!」
11月18日、国民民主党の会見で、玉木雄一郎代表は記者からの質問に対し、厳しい口調でこう返した。会見に出席したフリー記者が明かす。
「会見の前半は、高市早苗首相の『存立危機事態』に対する答弁や、軍事関連兵器の『輸出三原則』に対する見解などについて、政策通の玉木さんらしく、饒舌に語っていました。
しかし、玉木さんの顔色が変わったのは、ある夕刊紙記者からの質問でした。国民民主党千葉県連で訴えが出ている、地方議員へのパワハラ事案について『今日にも党の調査委員会から“パワハラはなかった”という調査結果が公表されると聞いたが、事実か』という質問に、玉木さんは『誰から聞いたのか』と逆質問をした後に、『相手方からの要望で発表時期を遅らせている』という回答をしたんです。記者が『相手方とは誰を指すのか』と重ねて質問をすると、『弁護士も含めた“相手方”だ』とのことでした。
玉木さんは、相手方からの強い要請があったとの認識を明らかにしたところで、記者が再質問をする際に『よくわからないもので』とつけ足したところ、かぶせるように冒頭の発言が出ました。しかし、党と調査委員会との具体的な協議内容を、記者が把握しているわけがありません。玉木さんの言い分は、いくらなんでも乱暴です」
千葉県連のパワハラ問題とは、千葉県浦安市の市議会議員が、県連所属の国会議員から無視されるなどのパワハラを受け、これが原因で「適応障害」の診断を医師から受けたとして離党した問題だ。その後、市議への県連の対応に抗議していた地方議員の3人が離党するまでに発展している。
玉木代表は、調査委員会を発足して真相究明をすることを公表したが、まだその結果は公表されていない。また本誌も、当事者である地方議員への聞き取りが1回あったものの、ほかの離党した地方議員への聞き取りがおこなわれていないことなどを報じていた。前出の記者が続ける。
「玉木さんは当初、当事者の国会議員と県連会長の2人を、役職停止程度の軽い処分にすることで乗り切れると考えていたようです。しかし、参院選が目前だったこともあって、処分時期を逸しているうちに、パワハラの具体的な内容がメディアで報じられるようになり、軽い処分で済ませることができなくなってしまった。
最近ではすっかり、『相手方のこともある』という理由で、具体的な回答を避けているように見えます」
自民党総裁選での高市首相の勝利と、公明党の連立離脱を経て、与党の枠組みをめぐる政局が動きを見せていた間、優柔不断な玉木代表の態度があきれられたのか、国民民主党は大きく支持率を落とした。この現状に玉木代表はあせっている、との声も聞かれる。
「玉木さんは、党勢拡大の“一丁目一番地”に位置づけている街頭演説・党員集会などをおこなうイベント『全国キャラバン』を、9月から展開中です。47都道府県を回り支持を訴えるものですが、千葉での街頭演説が、11月22日に予定されているんです。キャラバンには国会議員も登壇予定ですから、パワハラ問題はそれまでに解決しておきたかったはずでしょう」(前出・フリー記者)
玉木代表が会見で見せたイラつきの理由は、“期日”が近づいているゆえのものだったのかもしれない。
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