事件現場となった歩道には何カ所にも花束が置かれていた(写真・梅基展央)
11月24日、東京都足立区の国道4号で、盗難車が暴走して2人が死亡、9人が負傷した事故が発生した。現場となった付近の歩道では、亡くなった被害者をしのんで、花束や缶ジュースなどが数カ所にわたって置かれている。歩道に植えられた樹木には、ところどころなぎ倒されたような跡も残り、男性が亡くなった現場には、チョークの跡とともに血痕が生々しく残っていた。
事件は、自動車販売店に訪れた男が、展示されていた車に乗り込んで逃走したことから始まった。車は展示用だったため、ナンバープレートは外され、代わりに「認定中古車」と書かれたプレートがついていた。公道を走ることを前提にしていない車だったのだ。本誌記者が盗難の理由を聞くと、「通常、展示車に試乗する際は免許の確認をします。それ以外のことについては、現在捜査中のためお答えできません」とのことだった。
「男が逃走後、販売店はすぐに『車が盗まれた』と警察に連絡しました。男は過去に何度も販売店に来店しており、個人情報を控えていたため、警察はすぐに男の自宅付近で車を見つけました。そのまま、パトカーで400mにわたり追跡したところ、車が暴走したのです」(捜査関係者)
その車は、横断歩道を渡っていたフィリピン国籍の女性をはねて死亡させ、さらに歩道に乗り上げて次々と通行人をはね、そのうちの1人の80代男性を死亡させた。そして、車道に戻るとトラックに追突し、ガードレールに衝突して停まった。この追突事故では、トラックの運転手を含む6人が軽傷を負った。その後、男は車を乗り捨てて逃走、途中で車のキーを投げ捨てたとみられている。
事故現場付近の飲食店で働く従業員は、事故の凄惨さをこう語った。
「ちょうどお昼の忙しい時間帯でした。店の前の歩道を車が走ったのが店内から見えました。すぐにわーっと人だかりができたので、急いで店外に出ると、何人も歩道で倒れていました。これは大変なことになったと思って、従業員で救助にあたりました。食事を提供している場合ではなかったです。
車はすぐ近くのガードレールに衝突していました。目の前の事故で、1人お亡くなりになられたと聞きました。本当に恐ろしい状況でした」
警視庁は、現在、ひき逃げや危険運転致死傷の疑いでも調べを進めており、刑事責任能力の有無を確認しているという。
本誌記者は、男の母親に話を聞くと、憔悴した様子で「みなさんには本当に申し訳なく思っております。いまは何も申し上げられません」と答えた。
車はなぜ暴走したのか。捜査の進展が待たれる。
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