
れいわ新選組・八幡愛衆議院議員(写真・梅基展央)
高市早苗政権で首相補佐官に抜擢された、日本維新の会の遠藤敬氏。彼の最終学歴が高校卒業であることが大きく報じられたが、遠藤氏以外にも、国会で活躍する「高卒国会議員」は多くいる。
2024年10月の衆院選で、初当選したれいわ新選組の八幡愛議員。グラビアアイドル界出身初の国会議員となった八幡氏は、兵庫県の中高一貫の女子校を卒業後、モデルやリポーターとして活躍してきた異色の国会議員だ。
一方で、大学に進学しなかったため、学歴コンプレックスに悩まされることもあったという。高卒という学歴が原因で国会議員として苦労したと感じたことはあったのだろうか。
「議員のみなさんが大学に行って専門的に何かを学ばれているときに、こっちは普通にアルバイトなどをやっていたので、知識の量は当然違います。差を感じます。
今、厚生労働委員会と農水委員会の委員になっていますが、特に農水だと、実家が農家の方とか、農業大学を出たとか、専門家が集まっているイメージがあります。そんなとき私は消費者代表みたいな感じで受け止めています。
確かに回りの人より勉強は遅いかもしれませんが、今はとにかく勉強をしていますね。それを苦労と感じたことはありません。
ただ、議員のみなさんって食事会とかよくやるのです。そこではよく『学校トーク』をみなさんされますね。『どこの大学だっけ?』とか『私は○○大学の先輩だ』とか。とにかく学校トークが好きなんですよ。
私は委員会の理事にオブザーバーで入れてもらっていて、理事会があったり、打ち上げがあったりする際に、諸先輩方と話をします。その際にも学校トークが出て、みなさん東大とか、海外の大学の名前が出てきますね。
そんなときに『大学はどこ?』と聞かれ、『高卒です』って言ったら、みんなシーンとして。こうしたタイミングでは、疎外感を味わいますよ」
八幡氏は、兵庫県にある私立の中高一貫の女子校に入学した。学校は進学校で、自身も大学進学を目指していたという。
「ところが中学2年のとき、弟が生まれた。弟が3人いて、末の弟が生まれたのです。すると母親から『ごめんな。大学には行かしてあげられない。高校を出たら働いて家計を支えて』と言われ、そこで大学はあきらめました。みんなが受験勉強をしているとき、私は国家公務員の試験を受けましたが、全然わからなくて白紙で出したこともあったんですよ」
とはいえ、その後は学歴コンプレックスを抱えることになったという。
「東日本大震災以降、社会的なインタビューをしたり、話をするときに知識の限界を感じたんです。それに現場で『どこの大学でてるの?』ってよく聞かれるようになった。
ちょうど、れいわ新選組に入りたいなと思っていた時期で、それなら入れるように勉強しようと思い、2019年に早稲田大学の通信教育『eスクール』に入学したんです。早稲田という大学名にも惹かれました。
ただ、英語が苦手で、英語のレベルが4に達しないと卒業できないのですが、レベル3でつまずいた。それでつい今年の10月に除籍になってしまったんですよ。なので、今最終学歴は、早稲田大学eスクール除籍ですね(笑)」
だが、学歴コンプレックスは、国会議員になったことで「どうでもよくなった」という。
「やはり当選したということは、国民の負託を受けているわけですから、自分の学歴がどうのこうのなんて言っている場合じゃない。学歴コンプレックスは完全になくなりました。
逆に、高卒であることで、社会経験が豊富になっているところはあります。いい大学を出られた議員のなかでも、『なんでこんな陰謀論を言っているのだろう』という人はいます。それに、あまり仕事もしないでふんぞり返っている人もいますよ。
でも、私は庶民派です。大多数の庶民の方の感覚が私にはわかると思います。たとえば議員がスーパーに行って視察とかしている映像を見ると、いかにも行ったことがないことがバレるじゃないですか。逆に私は、支持者の方などに『国会議員だけど、こんなにも庶民派なんだね』と言ってもらえることも多く、その点は得していると思います。
しかも、社会経験が豊富なので、コミュ力はメッチャ高いですよ。これまでの経歴で、アドリブ力が養われました。なので、国会の論議でも、ほかの議員のようにすり合わせをしないでもきちんと対応できます」
そんな八幡氏は、自分たちが果たす役割は意外と大きいと話す。
「SNSで『おまえFランだろ』とディスられたことはありますが、『高卒なんやけど。大学にも行けてないんだったわ』とニヤニヤしたことはありました。
そもそも、れいわ新選組代表の山本太郎は、中卒ですよ。それに私が高卒なので、若い世代にそう伝えるとびっくりしますね。中卒でも高卒でも政治をやれるんだという、夢を与えられると思いますね。チャレンジしようという若者は多いですからね。若い層に浸透しやすいと思います」
八幡氏にとって高卒という学歴は、逆に自分をポジティブにしてくれる要素かもしれない。
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