高市早苗首相(写真・JMPA)
《日本の才能あふれるアーティストの皆様が、より多くの国でライブや交流を実現できるよう、政府は海外展開支援を強化します。アジア、欧州、北米など多様な市場で、日本の音楽が響く未来を創ります》
12月4日、自身のXを更新し、アーティストの海外展開を政府として後押しする考えを示した高市早苗首相。日本人アーティストの中国公演が相次いで中止になっている現状を受けての決意表明と思われるが、高市氏はさらに
《先般閣議決定した550億円を超える補正予算も活用し、海外売り上げ20兆円を目標に、複数年でのご支援をお約束し、官民連携で強力に後押しします》
と、具体的な支援のプランを示した。しかし、これに対して、
《海外支援の強化はいいけれど、その前に、今回中国公演がキャンセルになったミュージシャンの収入の補償が先ではないですか?》
と物申したのが、世界的に活躍するDJで音楽プロデューサーの沖野修也氏だ。
「高市首相の『海外支援の強化』を報じた記事を貼り付け、《舌禍を招いたのは誰か》とポストしたユーザーに対し、沖野氏は上記のように切り出すと、《ビザの取得費も。自分の失敗の穴埋めに税金を使わないで下さい》と、高市氏を批判。
続けて《インボイス制度は? 物価高対策は? 税収過去最高なのに、防衛費増強の為に増税ですか?》と、自民党の政策を痛烈に批判しました。
一方で、自身も中国には『何回も行ってます』という沖野氏は、《今まで何の問題もなかったですよ。何故今回行けなかったかお判りですか? 彼女の失敗だから、僕も税金を使わないで下さいと言っています》と、別のユーザーからのツッコミに返答しています」(スポーツ紙記者)
相次ぐ中国公演のキャンセルは「高市氏の失敗」とする沖野氏の主張に対して、X上では、
《補償をするなら中国政府がやるべきあって日本は無関係ですね》
《仕事と仕事先を選んだのは日本政府ではありません。むしろ演奏の途中で止める、弾圧とも見せしめとと取れる非民主的なやり方の中国には何も思うところはないのですか?》
など、必ずしも共感は得られていない状況だ。
「そんな沖野氏は、『滋賀民報』の新年号企画で、日本共産党の衆議院議員・辰巳孝太郎氏と『高市政権下で渦巻く排外主義』をテーマに対談をおこなったと、12月3日に辰巳氏がXで明かしています。共産党へは『議席少なすぎる、もっと大きくなってや』と注文をつけたそうです。
これは沖野氏に限りませんが、相次ぐ中国公演のキャンセルについて、怒りの矛先を中国ではなく、高市氏に向けたアーティストや著名人が次々と炎上しています。
そうしたなか、ロックバンド『爆風スランプ』のドラマーで、1990年以降、中国での音楽活動に半生を捧げてきたファンキー末吉さんは、Xで《中国ロック40年の歴史の中で、それこそ数限りないほどの公演が中止されてきたのを見てきた。たった一度の公演が中止されたからといってそんなに怒ってたりすることが私にはよく理解できない》とポストしています。
何度も中国に行っているという沖野氏なら、そうした “チャイナリスク” は百も承知だと思うのですが……」(芸能ジャーナリスト)
アーティストやプロモーターにとって、決まっていた公演が中止になるのは、確かに気の毒なことだ。とはいえ、《この国(注、中国のこと)でロックをやるということはこういうことだと思う》というファンキー末吉氏の言葉にこそ、すべてが集約されていると考える人は多そうだ。
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