
片山さつき財務相
高市早苗内閣で念願の財務相の座を射止めた、元財務官僚で参院議員の片山さつき氏に“政治とカネ”をめぐる問題が、「週刊文春」と「しんぶん赤旗『日曜版』」で相次いで報じられた。
「財務相在任中でありながら、大規模な政治資金パーティを開いたというものです。問題は2つあって、2001年に閣議決定された大臣規範では、大規模パーティ開催の自粛を求めています。『大規模』の定義については大臣規範では明記されていませんが、2007年に当時の町村信孝官房長官が『1000人程度をめどにして考えている』と答弁しています。
さらに、パーティの参加者に、片山さんの職務権限がある金融関係者がいたかもしれないとも指摘されています。というのも、やはり大臣規範には、『職務に関連して贈物や便宜供与を受けること』をめぐり、『国民の疑惑を招くような行為をしてはならない』とあります。パーティ券を所管する金融業界関係者に販売していれば、大臣規範に抵触する可能性があるというのです」(政治担当記者)
片山氏は報道を受け、12月4日、参院財務委員会で「大臣に就任する前から予定していたもので、大臣規範には抵触しないものと考えている」と答弁した。また、「参加人数は800人程度だと思う。毎年、開催していたもので、そういうもの(大規模パーティ)には当たらないと思う」と、規模的に「大規模」にはあたらないと説明した。
また、金融業界関係者の出席があったのではないかという「しんぶん赤旗」の取材に、片山事務所は「誤解を招かぬようすべて合意解約をすることで手続きしております」と回答。さらに「会場前に返金のテーブルを設け対応」したともつけ加えたという。
じつは、本誌記者の知人もパーティ会場に赴いていた。パーティが開催されていたのは、都内港区の外資系ホテルにある最大バンケット。パーティ券の通し番号ごとに受付が置かれたほか、通し番号以外の受付もあったという。片山氏の事務所が言う「返金のテーブル」がこれを指す可能性もあるが、少なくとも、知人が見ている間に、返金対応をしている様子はうかがえなかったそうだ。
いずれにせよ、片山氏の答弁どおりの規模だったのかは、2026年に公開される政治資金報告書を待つしかない。また、金融業界関係者がいたかどうかについては、この先、確認するのは困難そうだ。
また、この会場は2000人以上が収容可能な場所だ。参加者はその半分以下だったことになるので、片山氏の委員会での答弁が正しいなら、会場内がガラガラだったことになるが、記者の知人が見たところでは、満杯とまではいかなくても、半分以下の人数とは感じられなかったという。前出の政治担当記者が続ける。
「片山さんは都道府県ごとに後援会長を置けるほど、後援会が組織化されています。片山さんが『このパーティは毎年、開催している』と委員会で説明したように、資金管理団体の『片山さつき後援会』の政治資金パーティは毎年、おこなわれているようで、令和5年分の収支報告書では、7600万円以上が翌年に繰越しされています。
もちろん政治資金団体なので、毎年、収支報告書を提出する義務は残りますが、この先、片山さんが政治家を引退して民間人になったとしても、資金は片山さんが“政治活動”と考えれば自由に使える可能性があります。片山さんに、パーティ券をさばけるだけの支持者がいるのもたしかですが、一方で、資金の残高が膨れ続けていることを知れば、納得できない国民もいるんじゃないでしょうか」
片山氏の詳細な説明が待たれる。
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