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赤坂サウナ火災事件、利用者の港区区議が明かす「ドアノブ」の握りづらさ…高級サウナの利用者急増のワケとは?

社会・政治 記事投稿日:2025.12.22 18:31 最終更新日:2025.12.22 18:31

赤坂サウナ火災事件、利用者の港区区議が明かす「ドアノブ」の握りづらさ…高級サウナの利用者急増のワケとは?

火災現場となった「サウナタイガー」(写真・梅基展央)

 

 なんとも痛ましい事故が起きた。港区赤坂のサウナ施設で火災が発生して利用客の男女2名が亡くなった。

 

「高級個室サウナを提供する施設『サウナタイガー(SAUNA TIGER)』は、1万9000〜5万9000円の都度利用プランのほか、月額6〜39万円のプランも取り揃える高級店です。しかし、12月15日には119番通報があり、個室の入口付近で重なるように倒れる男女が発見され、搬送先で死亡が確認されました。亡くなったのは美容関連会社を経営する30代夫婦で、2人にはやけどの跡が見られたといいます」(社会部記者)

 

 警察の現場検証の結果、サウナ室の内外にあった扉のドアノブが外れ、ドアを開けられずに閉じ込められた可能性が指摘された。取材した記者が明かす。

 

「火災はサウナ内のタオルが焼けたために発生したようです。タオルが燃えた理由はまだ判明していませんが、サウナ内の温度を上げるための熱源になるサウナストーンに触れたためと思われ、被害者が温度を下げようとした可能性も考えられています。サウナ内には緊急警報ボタンがあったのですが、電源が入っていなかったようで、警察は業務上過失致死罪も視野に入れて代表者らから事情を聴く方針のようです」

 

 現場は閑静な住宅街にある雑居ビルの1階から4階までの施設。開業直後にインフルエンサーとして招かれ、プライベートでも度々訪れたこともあるという港区の新藤加菜区議会議員に話を聞いた。

 

「1階でオーダーできる食事やドリンクが利用料金に含まれているので、お得感がありました。個室内で頼んだアメニティやオロポ(※オロナミンCとポカリスウェットを混ぜたドリンク)はスタッフが持ってくると部屋の前に置いて、ノックをして知らせてくれるため、プライベート感を大事にしていると感じました。今思えば、サウナ室のドアノブがかなりの高温になって握りづらかった記憶があります」

 

 近年、愛好者のなかで、サウナに入ることで血流が高まることを「整った」と表現するようになった。また、コロナ禍では感染リスクが少ない行楽という認識が広まったことで、サウナ施設はここ数年で急速に増加していた。ただ、高級志向のサウナには別の側面もあったという。

 

「ラブホテルの代わりとして利用されることが増えたんです。そもそも、ラブホテルは住宅街や学校や病院などの隣接地域では営業許可が出ません。ただ、サウナ施設の場合、営業場所の制約がないんです。インバウンド旅行者の急増で、都内のホテルは高止まりしていることや、安全面への配慮から室内への宿泊者以外の入室を規制するホテルも増えたことから、サウナやエステサロンなどの個室施設はカップルなどに利用されることが増えました」(風俗店経営者)

 

 いずれにせよ今回は、施設の安全面での配慮が欠けていたことが事故につながった可能性が高い。前出の新藤氏もこう言うのだ。

 

「港区のサウナ施行条例を見直したところ、公衆衛生面での配慮は多分にある一方で、緊急時の安全面への配慮が欠けていたのではないかと感じました。すでに保健所が定期の安全確認をほかの施設にもおこなっていますが、今後利用者の安全を設置条件に含める必要があるのではと思っています。次の議会までにまとめて提言する予定です」

 

 捜査の進展が待たれる──。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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