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「少子化対策は国防だ!」参政党・神谷宗幣氏が泉房穂氏と徹底討論…どうする「自民との連立」「消費税減税」

社会・政治 記事投稿日:2026.01.26 15:50 最終更新日:2026.01.26 15:52

「少子化対策は国防だ!」参政党・神谷宗幣氏が泉房穂氏と徹底討論…どうする「自民との連立」「消費税減税」

雑誌メディアで初顔合わせの泉房穂氏(左)と神谷宗幣代表

 

 1月23日、衆院が解散された。憲法7条に基づく解散としては戦後最短。高市早苗首相の突然の決断に対し、「大義はあるのか」との批判が上がるなか、ともに国会の少数派で “異端児” の2人が対談をおこなった。
 

 2025年7月の参院選で、無所属ながら全選挙区トップの82万票を得て20年ぶりに国政に戻ってきた元兵庫県明石市長の泉房穂氏(62)と、同じ選挙で14人が当選し、衆参18議席になった参政党を率いる神谷宗幣代表(48)。“クセ強” コンビが、衆院選の争点である「消費税減税」、70%の支持率を誇る「高市政権」、そして「政界再編の可能性」などをめぐって激論を交わした。

 

■首相は解散の時期を誤ったのか?

 

 雑誌メディアでは初顔合わせという2人。お互いにどんな印象をもっているのか。

 

泉「神谷さんが30歳ちょいくらいで全国組織を立ち上げたころから、『面白い人がおるな』と思っていました。そして参政党を作られて、ぶっちゃけて言うと大変そうやなと思っていたら、そのうちにどんどんバージョンアップしていった。草の根というか、主人公は庶民っていうスタンスの組織づくりから、新しい政治の形を模索されているんやなと感じますね」

 

神谷「相変わらずテンションが高い(笑)。泉さんは叩き上げの方で、政党もなく一人で戦ってこられた、強い思いの持ち主というイメージです。私にはあんなことはできません。じつは今日、明け方の3時半まで衆院選の立候補希望者と面談をしていました。比例代表と小選挙区で190名の候補者を立てる予定です」

 

 予算成立前の電撃解散についてはどう捉えているか。

 

泉「予感はありました。新聞やテレビが『解散はない』と報道していたので『そうなんかな』と思うこともありましたが、一方で『自分が高市総理やったら、支持率が高い今こそ選挙で民意を得たい』という誘惑にかられるだろうと想像していました。ただ、解散するのであれば、年末か年明けすぐにやるべきで、高市総理は決断の時期を誤りましたね。一度は『解散しない』と決めたはずです。それなのに解散をしたから、予算成立が後回しになってしまった」

 

神谷「国民に迷惑をかける可能性があるので、私もこの時期の解散はよくないと思います。年末の段階で総理に解散をする考えはなかったと思うのですが、アメリカのベネズエラ侵攻、イランの情勢不安定、さらには党内スキャンダルも噂されていましたから、『今、解散しないと』という判断に至ったのでは。民意を得れば、思い切った政策展開が可能ですから」

 

泉「安倍晋三元総理も2012年に政権に戻ったあと、2014年、2017年と衆院選をしました。本当に強かったですよね。民意を得て力を増していった。高市総理もそこを見習ったのでしょう」

 

 立憲民主党と公明党による「中道改革連合」が結成された。

 

泉「(連携の)動きは前々からあったと思うんですよ。ただ、解散したことで、それが早まりましたね。急転直下の解散ゆえにあわてて中道が結成された印象です。ただ、党の政策は公明党にほぼ乗っかっています。政策転換をこんな荒っぽくやっていいのかという疑問はありますが、選挙が近すぎて議論する時間がなかったのではないでしょうか」

 

神谷「おっしゃるように、政策は公明党の主張に寄っていますが、公明党(の政策)には自民党の左派、リベラルは同調しやすいと思います。逆に立憲の政策では無理です。新党設立でそういう体制ができたともいえますから、選挙後に自民党の左派が中道と手を組む展開があるかもしれません」

 

■参政の「連立入り」はあるのか?

 

 今後、政界再編はあり得るのか。そのとき参政党はどのような立ち位置にいるのか。

 

神谷「石破自民党は2024年10月の衆院選で負けました。安倍派に代表される保守系議員が少なくなり、自民党がリベラル化したため、2025年7月の参院選で参政党が支持されたという面はあります」

 

泉「自民党は(右から左まで)幅が広いので、いろんな選択肢があります。もちろん参政党とも組めるだろうし、麻生(太郎・副総裁)さんは国民民主党、石破(茂・前首相)さんはそれこそ立憲の野田(佳彦・元首相)さんや公明党と近いわけです。そうしたなかで参政党は自民党とどういう関係を築くのか」

 

神谷「今回の選挙でどれだけ議席が取れるかによります。議席が増えれば責任が生じますから、自民党から『協力してくれ』と言われれば応じなければいけない立場になるでしょう。将来の発展を見越して、今回の選挙では参政党の候補者に自民党を離れた方たちもいます。その方たちがバッジをつけてくれれば自民党との掛け橋にもなるはずです。

 

 選挙の結果次第では、高市さんのやりたい政策、たとえば憲法改正やスパイ防止法を自民党のリベラル派が止めてしまうこともある。しかし参政党が協力をすれば、高市さんが掲げている法律を進めやすくなります。高市政権の支持率は70%、一方で自民党支持は 30%。この40%のギャップを埋めるのが参政党です」

 

泉「場合によっては自民党との連立はあり得ますか」

 

神谷「それはケースバイケースです。やはり国民のみなさんが参政党にどれだけの票を与えてくださるかによって、『連立を組め』あるいは『いやいや、まだ早い』のいずれかの判断になります。とにかく、参政党がブレないことが大切。頑固一徹政党です」

 

泉「ということは、参政党の考えに近い自民党の候補者には対立候補を立てない?」

 

神谷「活動拠点が決まっている候補者はずらせません。また、県連ごとのこだわりもあります。しかし、『党の飛躍のために、どこの選挙区でもいいから使ってください』という候補者については、政策が近い自民党候補者が立つところへの擁立は配慮しました。

 

 昨年7月の参院選挙で参政党は740万票をいただきました。今回は950万票を目標にしています。そうすると35議席の獲得も視野に入ります。大きなキャスティングボートを握ることになります」

 

■総選挙の争点は

 

 各党はこぞって「消費税減税」を掲げる。現状、政党間の違いは見えにくい。

 

泉「参政党は “段階的” に消費税廃止ですよね。いったん、すべての消費税を5%に下げてからの廃止。食品だけの廃止はノーということでよろしいですか?」

 

神谷「はい。自民党は食料品にかかる消費税を2年間ゼロにするとしていますが、これではまったく効果がない。むしろマイナスだと思っています。失われた30年は、政策が何事も中途半端でした」

 

泉「高市総理は食料品に限定している状況なので、連携して政策を実現するのであれば、まずは食料品の消費税を廃止し、『でもわが党は消費税そのものを廃止します』と訴えるストーリーも残したほうが選択肢が広がると思いますが」

 

神谷「食料品だけゼロにしても大した経済効果はないんです。効果が認められないと、財務省が『ほら、減税しても効果ないでしょ』となり危険です。

 

 高市総理は総裁選のとき、『消費税減税をする』と言っていました。しかし総理になったら『やっぱりちょっと難しい』と。そして選挙になったらまた『やる』というわけですよ。

 

 私は今回の自民党の消費税減税公約は選挙に勝つための “ニンジン”。本気でやる気はほとんどないと思っています。ましてや自民党が独り勝ちしたら、絶対に(消費税減税公約を)なかったことにします。この論法に、国民は騙されてはいけない。

 

 だから、『言った以上はやれよ』と自民党に言える勢力が必要です。参政党に多くの議席があれば、それができます」

 

泉「減税以外は、どんな政策を訴えますか?」

 

神谷「大きく言うと外国人政策と、絶対に外せないのが少子化対策です」

 

泉「少子化対策って、具体的にどのあたりに力点がありますか」

 

神谷「今の政治は『子育て支援』ばかりなんですよ。でも、それだけじゃ子どもは増えない。生まれた後を支えるのは大事だけど、そもそも未婚の若者が結婚して、子どもを持つことが “人生をよくする” と思える社会にしないといけない」

 

泉「なるほど。出生前、つまり結婚・出産への心理的ハードルの話ですね」

 

神谷「そうです。いま『子育ては罰』みたいな言葉が出てくるくらい、空気が冷えている。『結婚はお金がかかる』『子どもはコスト』ってマインドのままだと、政府が何を言っても響かない」

 

泉「私も、少子化の話って『子育て支援』だけに寄りすぎていると思うんです。私はいつも “子ども政策” “子育て支援策” “少子化対策” は分けて考えると言っていて。たとえば、児童虐待を防ぐ、命を守るのは『子ども政策』。給食無償化は『子育て支援』。そして、少子化対策はもっと広い」

 

神谷「まさに。だから『生まれた後』の支援だけじゃなく、生まれる前もやらないといけない」

 

泉「奨学金の返済負担なんかは象徴的ですよね。学費で背負ったものが重いと、結婚も出産も躊躇する」

 

神谷「そこも含めて、です」

 

泉「参政党は少子化で、かなり思い切った数字を掲げてますよね」

 

神谷「私たちは、財源が厳しいと言われながらも、子ども1人あたり月10万円の給付を公約にしています。じつはこの実現には10兆円以上かかるんです。でも、このペースで人口が減ったら、国が存続できない。だから これは国防なんですよ」

 

泉「少子化を『未来への投資』じゃなくて『国防』だと」

 

神谷「そう。防衛費を上げる議論をするなら、同じくらいの覚悟で、子ども・教育に突っ込むべきです。たとえばGX(クリーンエネルギーへの転換)に何兆円も投資って話があるなら、少子化対策にそれくらい投資すべきじゃないか、と」

 

泉「“国家の持続可能性” っていう意味では、確かにそこが本丸ですね」

 

■貧血状態の国民に献血を求める失策

 

「責任ある積極財政」を掲げる高市首相。それへの反発か、国債価格は大暴落している。高市自民の経済対策はどこに問題があるのだろうか。

 

泉「お金が世の中を回ってこそ経済が回るわけだから、経済の回し方から税を考えないといけない。今はそれができていないんですよ。消費税を廃止して、みんながお金を使えるようになればお金は回る。お金が回れば税収も増えます」

 

神谷「お金は国の血液ですから、どこにどう血液を流すかを考えなければいけないのに、財務省などは『献血(税金)が必要です』と訴える。健康状態がよくないのにどんどん血を集めるから、国民はますます貧血状態になるわけです」

 

泉「何より国民に元気になってもらうことが先。元気になって、体の中で新しい血液が作れたらまた献血をしてもらえばいい。

 

 十数年前までは日本の税収は40兆円程度。2009年は38兆円。そして今は80兆円。当時の2倍以上ですよ。消費税廃止による減収は15兆円〜20兆円程度。消費税減税はできるはずなんです」

 

神谷「自民党とか財務省は、できない理由ばかりを言うんですよね。『人口減少だから』『高齢化だから』『コロナ禍だから』『円安だから』。現状は残念なことに、国民の多くが『もう日本はダメなんだと』とあきらめています。

 

 だからこそ、国民に夢を持ってもらえる、社会の在り方を考えてもらえる提案を政治がすることが必要です。そこで思い切った主張をすることに、少数政党の役割があると思います」

 

 決戦は2月8日。高市首相の決断に民意はどう答えるのか。

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出典元: 週刊FLASH 2026年2月3日号

著者: 『FLASH』編集部

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