
党首討論が予定されていた『日曜討論』(フジテレビ系)を、当日に“ドタキャン”したのち、当日の午後に応援演説のため岐阜県に訪れた高市早苗首相(写真・ともゆき)
2月8日に投開票を迎える総選挙。自民党と日本維新の会の与党が大勝し、対抗する中道改革連合は厳しい戦いとなると報じられている。1月19日、高市早苗首相はこの解散の理由を「自身の信を国民に問う」と力強く語っていた。だが、選挙後に取り組んでいくとした肝心の「国論を二分するような大胆な政策」などについては、明かすことはなかった。
高市自民の大勝後、日本には何が待ち構えているのだろうか。「圧勝するなんてことがあったら、ますます制御不能になりますよね」と危惧するのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。
「彼女が尊敬する安倍晋三元首相なんかは、『安倍さんのためなら』と身を粉にして働く人間が周りをがっちり固めていました。ところが高市さんには、そのような評判が聞こえてきません。
選挙期間中の『円安ほくほく』発言などもそうですが、いろんな失言を、誰も制御できていないように思います。にもかかわらず支持率は高いので、党内の良識ある人たちも、より一層コントロールできなくなるでしょうね。
『国論を二分する』政策について、具体的に明示していませんが、高市さんのこれまでを見ていれば想像はできます。防衛費の増大、スパイ防止法、国旗棄損罪……。そして、最終的には憲法改正でしょう」
社会構想大学院大学教授の北島純氏も、同様の意見を語る。
「選挙に勝利した場合は、間違いなく高市さんの党内基盤は強まります。これまで彼女は、会食にも参加しない、などと言われてきましたが、選挙後は皆高市さんになびいていくでしょう。一方で、秘書官に相談をせずに決めてしまう、などという傾向は強まるでしょうね。
高市さんは、自分で資料を納得するまで読まないと先に進まないといいます。それは当然強みでもありますが、彼女にとって党内の説得や根回しの優先順位は決して高くはないのでしょう。本来は、党や政府が一丸となって政策を詰めていくべきです」
高市首相の“独りよがり政権”は、選挙後に加速するのか……。一方、この高市首相の独断ぶりを印象付けたのが、今回の選挙でもある。政治評論家の有馬晴海氏は、ドタバタの解散劇をこう見ていた。
「彼女が首相になってから3カ月がたちますが、僕の知る限り会食は2回。高市さんは、自分で勉強して自己責任でやっていく、という考え方だからでしょうね。
もともと、高市政権発足は、高市さんが麻生太郎さんに頼み込んで成立したもの。だから、『生みの親』などと言われているわけですね。その麻生さんが昨年、『人気のあるうちに解散しろ』と高市さんに迫ったところ、高市さんはそれを『私には実績が必要だ』と退けた、というんです。
ところが、年を開けて高市さんの側近の今井尚哉内閣参与が解散を進言した。その時は、自民党の情勢調査では260議席とれる予測でしたが、この結果で急転直下、解散が決まった、と言われています。麻生さんにも鈴木俊一幹事長にも相談はなかったとのことで、両者とも激怒していたと聞こえてきます。
ところが、ふたを開けてみれば大勝が見えてきた。これで風向きが変わり、今は自民党全体がホクホクですよ。麻生さんも『あの女、やるじゃねえか』と上機嫌です。選挙後は、誰も高市さんに口出しはしにくくなりますよね。誰も彼女を抑えられなくなるでしょう」
衆院選に庶民泣かせの“独断政策”が浮上してくる疑いが濃厚だ。たとえば食料品の消費税を2年間ゼロにすると高市首相は当初、主張していた。だが、選挙戦では消費税減税についてはほぼ封印した。伊藤氏(前出)が言う。
「消費税減税なんか本当にやるかどうわかりません。高市首相は減税について『国民会議で検討を加速する』としか言っていませんから。消費税を減税したら、一層、インフレが進み、円安が進みますよ。消費税を12%に上げるという噂が流れていますが、こっちのほうが高市さんの本音かもしれません」
選挙が終わってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しても、後の祭りだーー。
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