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【AI失業の現場】年収800万が吹っ飛んだ42歳プログラマー「自分をクビにしたAI」使ってゲーム作る日々

社会・政治 記事投稿日:2026.02.25 19:15 最終更新日:2026.02.25 19:15

【AI失業の現場】年収800万が吹っ飛んだ42歳プログラマー「自分をクビにしたAI」使ってゲーム作る日々

「昨年9月に契約を切られてから何も考えられない」と語る42歳プログラマー

 

 アメリカでの “対岸の火事” に思えていた、AI失業。大解雇時代突入へ、もうカウントダウンは始まっているーー。

 

 GAFAM等の大量解雇は2022年後半に始まったが、OpenAIが初めて一般に無料公開した生成AI、ChatGPT-3.51のリリースも同年11月。解雇はピークの2023年1月以降、断続的に続くが、AI投資へのリソース集中が主な理由とされる。

 

 日本でもパナソニックホールディングスは、2月4日、現在進めているリストラの規模について、当初から2000人増えて1万2000人程度になると明かしている。削減の対象が人事や総務であることから、「AIシフト」が目的だとされる。

 

 AI失業の悲劇は、高年収を誇ったIT業界の足元でも起きている。42歳のプログラマー、外川浩志さん(仮名)はこう嘆く。

 

「2025年9月、ITメガベンチャーとの業務委託契約が更新されず、以降、しばらく何も考えられない状態です。当座の貯えはあるので、切り崩して暮らしています」

 

 外川さんは渋谷スクランブルスクエア内にあるA社と半年ごとに契約を結んでいた。大学卒業後は大手電機メーカーの下請けでSEとして働き、29歳で独立後、基本はそうした大口の委託を受けてきたという。

 

「多くは製品やサービスごとのプロジェクトで、契約も1年以上に及ぶ場合もありますが、ほぼ半年や3カ月ごとといった短期更新。なにも問題がなければ継続で、僕の場合は最長が、A社の前に勤めていた職場の4年。

 

 契約が長い人は向こうも切りづらくなるんですよ。そのときは緊張感を求め、自ら申し出てやめましたが、こんなご時世になるとは思えず、見通しが甘かったですね(苦笑)」

 

 外川さんの得意分野はゲーム。「するのも作るのも好き」といい、自作のゲームを自身のサイトで公開販売もしている。

 

「予防医学系の健康サイトや服の通販サイトなども手がけましたが、受託業務もスマホ用のアプリゲームが多いですね。9月に切られた案件もそうでした。いずれも、あらかじめ決められた仕様書に沿って、プログラムを組み立てていく作業です。A社との付き合いは2年半継続していました」

 

 外部委託のフルリモートではあっても、クライアント側スタッフとの人間的なつながりは密だった。

 

「タイムカードはなくても、毎朝連絡会議はあるし、スラックで細かなやり取りをしながら進めます。社員のタイムテーブルに完全に合わせていて、彼らが退勤すれば、その日の作業は終わり。

 

 担当部長とは特に親しく、今回の人員整理についてもきちんと説明は受けました。30人が関わっていたプロジェクトでしたが、10分の1の3人だけ残し、ほかは全員契約打ち切りだそうで、どう考えてもAI導入の結果。仕様どおりに実装するだけならAIでできてしまうんです」

 

 業務に従事するプログラマー同士のつながりはない。外川さんのように個人で受注する例は少なく、協力会社という名の下請けに仕事を出す場合が大半という。

 

「そうした小さな制作会社こそ大打撃でしょう。もう新卒を取っていないとも聞きますね。2022年11月のChatGPTのリリース以降、アメリカではIT大手はむろんのこと、ゲーム業界でもレイオフが年々増えているとのニュースは入ってきましたが、まるで対岸の火事のように思えていたので……」

 

 アマゾン・ドット・コムは、本社機能や管理部門などオフィスで働く社員を中心に、累計で全従業員の約2%にあたる約3万人を削減する計画だ。その一環として、今年の1月28日、世界で1万6000人の従業員を削減すると発表した。

 

 AIの導入による業務再編が基本的な背景にあるのは明らか。一方で、日本のIT企業が大規模リストラのニュースを表立って出すことは稀だ。しかし、内部では「採用を絞ったり契約を見直したりは頻繁に起きている」と、自身もその対象となって実感したと外川氏は語る。

 

「海外で起きていることは、必ず日本にも遅れてやってくる。今回の僕の契約終了もその流れの一部だと思えます。A社はAIによる効率化の成果を見せられなければ、株主への示しがつかないんでしょう」

 

 外川氏の年収はA社からの委託だけで800万円に達していた。それが丸々失われた。委託業務はIT系転職エージェントから斡旋されるのが常だったが、外川氏はそのサービスも解約したという。

 

「しばらく冷却期間を置きたかったんですが、新たに職を得ても、同様の事態が繰り返される気がしてなりません。斡旋する側も縮小せざるを得ないんじゃないんですか。

 

 どんな職場でも同じでしょうが、若手は単純作業を繰り返しこなすうちに成長するもの。細々とした作業を全部AIにまかせては、新卒に振る仕事もない。逆に、ベテランは難しい仕事ばかり振られ、負担は増す一方。AIと競争するのはすごく苦しいですよ」

 

 かくしてAIに打ちのめされた外川氏だが、現在は自分がかつて開発したスマホ向けRPGを作り直している最中という。

 

「OSがどんどんアップデートされ、4年半前に作ったゲームがもう動かないんです。昨年末にAndroid版を更新し、AIを使ってプログラミングしたら、たった2日で完了しました(笑)」

 

 AIを本業で使いこなす道も残されているが、あえて退路を断ち、副業だったゲームの自作に打ち込む外川氏。試行錯誤を重ねながらも、AIを「脅威ではなく味方として活かす」道を探っている最中だ。

 

取材/文・鈴木隆祐

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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