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「今、ガソリンを使わせてはいけない!」エコノミストが警鐘、原油枯渇と「石油備蓄」の危機的状況

社会・政治 記事投稿日:2026.03.29 06:30 最終更新日:2026.03.29 06:37

「今、ガソリンを使わせてはいけない!」エコノミストが警鐘、原油枯渇と「石油備蓄」の危機的状況

高市早苗首相(写真・ともゆき)

 

 イラン米国、イスラエル間の軍事攻撃が膠着状態となった影響で世界的な原油不足が生じているとして、国際エネルギー機関(IEA)は各国に石油消費の節約を訴えた。一方、我が国の高市早苗首相はガソリンの全国平均価格が190円を超えた3月18日、自身のXアカウントに、《いつものペースで給油をお願い申し上げます》と投稿した。混乱を避けるための呼びかけだが、専門家からは疑問の声が上がっている。

 

 全国紙の政治部記者は、首相の施策をこう評する。

 

「高市首相は24日の関係閣僚会議でも、『事態の早期鎮静化』を繰り返し強調しました。ガソリン価格の高騰は国民生活にダイレクトに影響するので、高市首相も焦っているようです。国家備蓄の放出を26日に開始したほか、『産油国共同備蓄』についても3月中には放出を開始すると表明しています。

 

 ガソリン価格を下げるため、2025年度予算の予備費から8000億円を補助金として小売店やタクシー業界に充てることも閣議決定しました。ただ、補助金は月間、約3000億円程度はかかると試算されており、残りの予備費も8000億円程度。物理的な供給停止が解けない限り状況は変わらないので、やはり小手先感は否めません」

 

 世界中で原油の争奪戦が激化するなか、政府の最大課題は「代替調達先」の確保だ。現在、政府は中東以外の候補として中央アジア、南米、カナダ、シンガポールなどを挙げているが、品質や権益、輸送コストの面で中東産に劣ることは明白だ。

 

「つまり、今、普通にガソリンを使わせてはいけないんです。補助金でガソリン価格を抑制したら、当たり前にガソリン使用量が減りません」

 

 そう呆れるのはエコノミストでテラ・ネクサスCEOの田代秀敏氏だ。

 

「日本の備蓄量は254日分だと高市首相は3月2日に国会で言いました。そのうち戦略国家備蓄は146日分です。しかし、9日の『フィナンシャル・タイムズ』の報道によれば95日分しかありません。民間備蓄の101日分は大半が『備蓄』ではなく『在庫』に過ぎません。原油由来の製品はプラスチック製品や合成繊維、肥料、薬剤など多岐にわたります。供給が止まっている状況を考慮すれば、節約して原油を確保しておかないと今後、国民生活に大打撃があるのは間違いありません」

 

 現在、新たな原油の調達先の一つとして期待されているのがアラスカ。しかし、これにも隠された重大リスクがあるという。

 

「アラスカにおける石油開発は深刻な環境破壊があるとしてバイデン政権で事実上、中止した経緯があります。つまり、これから兆単位の投資をしてインフラ整備をしたとして、トランプ大統領の任期後に民主党が政権を取り戻した場合には、事業がキャンセルになるばかりか、環境破壊を起こしたとして莫大な罰金を科される可能性すらあるんです。まったく馬鹿げた話です」

 

 つまり、今の施策のほとんどが場当たり的なものにすぎないということなのだ。

出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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