
ブランケットを使う高市早苗首相(写真・長谷川 新)
依然として60%前後をキープする、高市早苗内閣の支持率。米トランプ大統領との会談を終え、その姿勢に賛否が分かれているが、首相周辺でも、外交をめぐって動きがあったようだ。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が語る。
「高市さんの支持率はまだ高いので、自民党内に表立った“反発勢力”みたいなものは、そこまで見えません。ただ、『高市さんのために身命を賭して』という熱量のある議員がどれだけいるか。『支持率が高いから黙っているけど、思うところはある』という空気感でしょう。
この空気感のひとつが、外交でしょう。2025年秋の台湾有事発言、そして、何といってもイラン戦争を含めた日米外交に対して、高市さんとの距離が見えた議員もいます。そのひとりが、党内きっての外交通の茂木敏充外相です」
茂木氏は、日本時間3月20日に開かれた日米首脳会談に急遽、同席した。これは、高市首相からの要請で決まったことだと報じられてきたが……。
「茂木さんは高市さんの総裁就任以降、彼女を支えるんだ、という立場でこれまで来ました。ところが、2025年の『台湾有事発言』があって日中関係が悪化した際には、外相でありながらあまり表には出てきませんでした。
これは、旧茂木派のある議員が言っていましたが、『茂木さんは“外交は自分”というプライドがある』と。だから、外交では“高市さんのお手並み拝見”と、少し距離を置いてみている感じがあったというのです。本当だったらすぐに助け舟を出すところですが……」(鈴木氏・以下同)
そして年が明け、米国とイスラエルがイランを攻撃したことで、イラン戦争が始まった。米国が大きな主導権を握るこの紛争で、これまで米国との外交の局面に多く立ってきた茂木氏が動いた。
「やはり、『日米外交は自分』というプライドが茂木さんにもあるのでしょう。トランプ氏が1回めの大統領になった際には、担当大臣だった茂木さんはアメリカ側に“タフ・ネゴシエーター”と評されました。
今回、茂木さんはアメリカに対してだけではなく、イランのアラグチ外相とも2回、電話会談をしています。一方で、今回の日米首脳会談にも同行しましたが、茂木さんはルビオ国務長官と連絡を取り続けていたといいます。こうした一連の動きで、茂木さんはずっと裏で独自に働きかけて、存在感を示しているのです。『現政権を支えたい』ということもあるでしょうが、このタイミングで、得意の外交で存在感を示すという狙いではないでしょうか。
それに、茂木さんとしては『高市さんの次は』という思いが当然、あると思います。いま、これだけ世界情勢が混とんとしており、外交が重要な中で、外交と経済が強みなのが茂木さんですから。旧茂木派の議員も、茂木さんの登場は必然と言っていますね」
さらに、岸田文雄元首相にも動きが。3月26日、イラン友好議連の総会が開かれ、岸田氏らが駐日イラン大使と意見交換している。
「このタイミングでイランと接触することで、存在感を示しました。岸田さんだけではなく、党内のベテラン議員も独自にイランと接触しています。こうした議員に共通するのは『中東外交はアメリカ追従でなく、独自に』という考え方で、現在の高市さんとは対照的な動きです。今後も外交では、党内で高市さんとの距離が出る場面が多くなるかもしれません。
一方、旧安倍派には結束して、高市さんを盛り立てようという動きがあるようです。ただこれも、かつて裏金議員として落選し、先の衆院選で復活した議員が、旧安倍派に多いからでもあります。彼らは、高市さんには恩があるので。でも、高市さんは一度、安倍派に入れなかったという過去があるので、もともとこの派閥と高市さんとは距離があるんです。両者が一枚岩といえるのかどうか……」
茂木氏、岸田氏、そして旧安倍派。さらに、かねてより財政政策などで高市首相との軋轢が報じられてきた麻生太郎最高顧問。高市氏の寄る辺はどこにあるのだろうか。
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