2025年、日本を襲った酷暑の様子。各地で40℃越えの日が続いた(写真・共同通信)
ホルムズ海峡の事実上の封鎖によって、日本にエネルギー危機が迫っている。すでに、石油を原料とする様々な製品に被害が及んでいるが、電力危機の可能性もある。
4月13日、資源エネルギー庁は、エコドライブの呼びかけなどを含む“お得情報”の発信で、石油需要の抑制につなげる方針を示している。この一見珍妙な発信の背景には、12日の赤澤亮正経済産業相の発言があるようだ。NHKの番組内で「規制ではなく、こうしたらお得だという情報を積極的に提供していく」と発言している。
だが、果たして“お得情報”だけで夏を乗り切れるのだろうか。今年の夏は、再び猛暑が到来する可能性があるのだ。三重大学大学院教授の立花義裕氏は、こう予測している。
「今年の夏は、猛暑が来る可能性が高い。観測史上いちばんの猛暑になる可能性もあります。その原因はスーパーエルニーニョ現象が起こると予測されているからです」
スーパーエルニーニョ現象とはいったいどのようなものだろうか。立花氏が、その脅威を解説する。
「これは、熱帯の海面水温が非常に高い状態になることです。普通のエルニーニョ現象の2倍ほど水温が高い時に、こう呼ばれます。エルニーニョ現象では、海水温が平年よりも1.5℃くらい高くなりますが、それが3~4℃高くなる状態ですね。
この現象が起きると、世界中で異常気象的な猛暑になります。普通のエルニーニョでは、日本は冷夏になることが多いんですが、スーパーエルニーニョは日本も例外なく猛暑になります。
過去にも何度かスーパーエルニーニョが発生していますが、必ず世界各地が異常な気温になっていますね。2023年に起きましたが、その時は観測史上いちばんの猛暑でした。それが、昨年も一昨年も続いている。その前は2015年ですが、この時も翌年まで猛暑が続きました。
つまり、スーパーエルニーニョが一度起きると、何年も続くんです。起きるたびに、階段を上るように、気温がどんどん上がっていくわけです。
つまり、今年も猛暑になってしまったら、昨年を超える猛暑になると予想できるわけです。いわば“ジャイアント・スーパーエルニーニョ”ですね」
では、予想通り“ジャイアント”な猛暑が訪れた場合、日本ではどのようなことが起こりうるのか……。
「最高気温が40℃を超える日が普通になる可能性があります。昨年も40℃越えの日が続きましたが、今年はもしかしたらそれ以上の頻度になる可能性も。
それに加えて、今年は石油不足による生活への影響が甚大です。電力不足でエアコンも使えなくなるかもしれません。建設業など屋外の仕事は早朝4時くらいから働く早朝シフトの導入が検討されるでしょう。学校では涼しい時間帯に登下校し、暑さによる『計画休校』も当たり前になるかもしれません。
食生活への影響も深刻です。2023年の猛暑では、高温により一等米の比率が59.6%と2004年以来最低水準まで落ち込み、これがコメ不足を生み、おととしの『令和のコメ騒動』の一因となりました」
こうした猛暑を前にして、立花氏は政府の危機管理不足をこう嘆いた。
「エネルギーを火力などから再生可能エネルギーに変えておかなかったツケが回ってくるかもしれませんよ。今更遅いのかもしれませんが、化石燃料依存からの“エネルギーチェンジ”が絶対に必要だと思います。
その意味では、赤澤大臣がいうような『エコドライブでこのくらいお得になる』というような“お得情報”の発信は、あまり意味がないと思います。石油依存じゃないエネルギー環境を作る重要性に気付かせてくれるような情報発信をしてくれるのではないかと期待していますが、今の政府のやり方は何がしたいのかよくわかりません」
今年の酷暑、日本国民はどのように対峙することになるのだろうか――。
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