
高市早苗首相(JMPA)
2025年10月の第一次内閣発足から6カ月。4月に報道各社が実施した世論調査では、「朝日新聞」が64%、NHKでも61%と、高市早苗首相率いる内閣は、高い支持率を保っている。
「国会運営などで強引さは目立ちますが、国民の高い支持を背景に政策を押し進めたことは一定の評価ができます」
こう話し、高市内閣を70点と採点したのは、政治評論家の有馬晴海氏だ。
「この半年間は、日米同盟の確認、関税への対応、イラン戦争による物価高など、問題が山積みでした。トランプ米大統領に対する高市首相の態度を『恥ずかしい』と見る向きもありますが、“女性首相”であることを活かして乗り切ったといっていいでしょう」(同前)
一方で、政治ジャーナリストの伊藤惇夫氏は「国家の分断が進むことを危惧しています」と高市内閣を批判する。
「本来、国のトップは国論をまとめるときには、反対意見、疑念に対して粘り強く説得することが求められます。高市内閣にはそれがない」
さらに、「外交、内政の両方で問題がある」と続ける。
「外交面では、アメリカをはじめ同志国との連携には熱心ですが、中国との関係改善には取り組もうとしていません。内政面では、国民生活に直結するような課題については、まだ手つかずの状態です」
有馬氏も高市内閣の今後に「危うい部分がある」と話す。
「予算の年度内成立を強引に進め、皇室典範、憲法改正について持論を展開する高市首相に対して、自民党内で反発する議員もいます。2年後の衆参同時選挙、2027年の総裁選を見すえて派閥的な動きが始まっています」
高市内閣の内実は問題だらけのようだ。では、内閣を支える閣僚の評価はどうか。有馬氏、伊藤氏、大手新聞の政治部デスク(以下「デスク」)が、内閣の主要閣僚の働きぶりを採点した。
●赤澤亮正経済産業大臣 《暴言を浴びても働き続ける》 平均78.3点
有馬氏・70点 伊藤氏・75点 デスク・90点
「能力や経験が重宝されており、重要物資安定確保担当までまかされました」(有馬氏)
「高市首相から『私に恥をかかせるな』というパワハラまがいの暴言を浴びせられても、懸命に仕事へ取り組んでいます」(伊藤氏)
「関税交渉だけでなく、5500億ドルの対米投資も日本に旨味があるようにうまくまとめました」(デスク)
●木原稔官房長官 《首相がもっとも信頼する男》 平均75点
有馬氏・80点 伊藤氏・65点 デスク・80点
「高市首相と自民党の溝をうまくさばいています」(有馬氏)
「自衛官の国歌斉唱問題でも、法的には問題ないという前提で、『政治的に誤解を招いたことは反省すべき』と事態収拾に動いた」(伊藤氏)
「首相がもっとも信頼するパートナー。首相が公邸にこもっている間、木原氏が官僚や党幹部の間を歩き、さまざまな調整をしています」(デスク)
●片山さつき財務大臣 《昔取った杵柄》 平均68.3点
有馬氏・80点 伊藤氏・45点 デスク・80点
「昔取った杵柄で、財務大臣はハマり役です」(有馬氏)
「財政、経済の問題で独自の発信が見えません」(伊藤氏)
「ベッセント米財務長官と共同してレートチェックするなど、過剰な円安進行を防いで成果を出しています」(デスク)
●茂木敏充外務大臣 《トランプ米大統領が称賛》 平均67.7点
有馬氏・70点 伊藤氏・68点 デスク・65点
「イラン問題では、イラン外相と電話会談をするなど積極的に動いています」(有馬氏)
「トランプ大統領から『タフ』と称されました。3月の日米首脳会談では人脈を駆使して、裏から高市首相を支えました」(伊藤氏)
「中国から対日圧力を受けたときに、各国への説明行脚が不十分でした。官邸はもう少し動いてほしかったと不満を持っています」(デスク)
●小泉進次郎防衛大臣 《ついに覚醒》 平均点63.3点
有馬氏・80点 伊藤氏・30点 デスク・80点
「これまで目立った持論の展開を控え、政府の立場で発言することで安定感が感じられます。覚醒しました」(有馬氏)
「自民党大会で自衛官が国歌斉唱した問題では、『事前に報告を受けていなかった』と言いながら、当の自衛官とのツーショット写真をXに投稿する能天気ぶり」(伊藤氏)
「ヘグセス米国防長官と太い信頼関係を築いたほかに、防衛装備品輸出で豪州との関係強化に成功しました」(デスク)
●林芳正総務大臣 《存在感が希薄》 平均点56.7点
有馬氏・60点 伊藤氏・50点 デスク・60点
「月に2回は地方出張するなど勢力的に動いています。ただ、出張先は総裁選で林氏を応援した議員の地元が多く、“次”に向けた布石とも見られています」(有馬氏)
「総務相としては存在感が希薄。派閥活動を活発化させています」(伊藤氏)
「東京と地方の税収の偏在化是正に精力的に動いています」(デスク)
●鈴木憲和農林水産大臣 《農協にべったり》 平均点53.3点
有馬氏・50点 伊藤氏・35点 デスク・75点
「物価高対策におこめ券を配布する案を推奨していますが、米440円分をなぜ500円のおこめ券で買わなくてはいけないのか、この国民の疑問をわかっていない」(有馬氏)
「『農協べったり』のひと言。食料の安全保障に取り組む姿が見えない」(伊藤氏)
「米政策で生産調整廃止路線から方向転換したが、農家からは評価の声が高い」(デスク)
●小野田紀美経済安全保障担当大臣 《SNSで“ミソ”》 平均点48.3点
有馬氏・50点 伊藤氏・30点 デスク・65点
「気さくで同僚議員には人気ですが、鳴物入りで大臣に抜擢されたものの期待ほどの活動が見受けられません。4月17日の園遊会でのドレスがネットで批判されるやいなや、批判に対してブロックをしたり、政治家としての言動が問われています」(有馬氏)
「イラン戦争で、本来なら担当する『重要物資安定確保担当』が赤澤氏に。政権での評価が透けて見えます」(伊藤氏)
「メディアに発信せず、広告塔の役割もいまひとつ」(デスク)
トランプ関税交渉、対米投資で結果を出した赤澤氏、高市首相と自民党内の間だけでなく、各省庁の調整を担う“コミュ力お化け”の木原氏が高評価。小野田氏は唯一の平均40点台となった。党内の派閥復活の動き、首相の健康問題、イラン戦争など、内閣は、内憂外患。働けど、働けど、楽にならず。
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