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“高市応援団”発起人に前回総裁選候補者ズラリ「無投票再選」目指す麻生副総裁が“ポスト高市”争いに刺した“釘”

社会・政治 記事投稿日:2026.05.08 20:01 最終更新日:2026.05.08 20:01

“高市応援団”発起人に前回総裁選候補者ズラリ「無投票再選」目指す麻生副総裁が“ポスト高市”争いに刺した“釘”

高市早苗首相(写真・長谷川 新)

 

 5月7日朝、産経新聞は「自民党内で高市早苗首相(総裁)を支える議員グループが麻生太郎副総裁を中心に発足する」などと報じた。

 

 記事によれば、グループの名称は「国力研究会(JiB)」。「JiB」は、高市首相が2025年10月の総裁選で掲げたスローガン「JAPAN IS BACK」の略だという。

 

 本誌が入手した、自民党国会議員に向けた《「国力研究会」発足とご参加のお願い》には、麻生氏をはじめ、錚々たる顔ぶれが発起人として名を連ねている。

 

 衆院議員からは、2025年の総裁選に出馬した茂木敏充外相や小泉進次郎防衛相、小林鷹之政調会長。さらに加藤勝信党政治制度改革本部長、西村康稔(やすとし)選対委員長、萩生田光一幹事長代行。参院議員からは、松山政司(まさじ)党参院議員会長、中曽根弘文党憲法改正実現本部長、有村治子総務会長、山谷えり子党北朝鮮による拉致問題対策本部長の計11名となっている。

 

 自民党では、麻生派以外の派閥は解散しているが、党内で新たな議員グループの動きが活発化しているなか、飛び込んできたニュースだ。

 

 4月15日には、石井準一参院幹事長らが参院の党内グループ「自民党参院クラブ」を設立し、自民党参院議員の約4割、40人超が入会。4月20日には、旧二階派の武田良太元総務相が政策グループ「総合安全保障研究会」を発足させ、旧二階派を中心に20人超が参加している。

 

「国力研究会」の狙いは何なのか。自民党のベテラン秘書が推察する。

 

「産経新聞の記事に『林芳正総務相には、声をかけなかった』と書いてありましたが、そこがポイントのように思います。“高市首相応援団”的な要素はもちろんあるのでしょうが、2027年秋におこなわれる自民党総裁選をにらんだ動きのような気がしますし、党内でもそうした見方が強いですね。

 

 林さんは、次の総裁選に非常に意欲的に動いています。林さんが所属していた旧宏池会は、前回の総裁選でも岸田文雄元首相や側近の木原誠二元選対委員長らが林さんを支援せず、小泉氏を支援しました。現在は、林派と岸田派に割れているとみられています。そうした事情もあり、林さんは地方行脚に熱心に取り組んでいて、高市さんの有力な対抗馬にもなり得る存在です。高市さんの長期政権となれば、林さんの出番はほぼなくなるため、必死のようです。政策グループを立ち上げた武田さんにも接近し、支援者拡大に躍起になっています。ですから、こうした動きに対抗して林さんを牽制する目的で発足したのではないかと推察しています。

 

 林さんのバックには運輸大臣、党幹事長や宏池会会長などを務めた古賀誠元衆院議員が控えていて、麻生さんは古賀さんを牽制しているとも、党内ではみられています。言うならば“ポスト高市”に釘を刺した格好ですね。武田さんは麻生さんとは“犬猿の仲”ですから、発起人に名前がないのは当然のことですし、参加しないでしょう」

 

 産経新聞の記事では「首相が皇室典範や憲法改正などの重要課題に取り組むにあたり、党としての支援態勢を強化する狙い」と報じているのだが、このベテラン秘書は「皇室典範や憲法改正は時間がかかりそうです」とし、こう続ける。

 

「現在、自民党は参院では少数与党ですから、皇室典範や憲法の改正、とくに9条は一筋縄ではいかない状況です。とりあえずの焦点は、2016年から始まった参院選合同選挙区(鳥取県と島根県の合区、徳島県と高知県の合区)の解消と、緊急事態の際に国政選挙の実施が困難と認められる場合、内閣が『選挙困難事態』と認定して国会議員任期を延長する法案。この2つは、野党にも反対しづらい面があり、高市内閣の実績としてまず積み上げたい、という思惑もあるのではないでしょうか。

 

 憲法改正などは、2028年の参院選で、自民党を含む与党が党勢を拡大してからでないと難しいのではないかと考えているような気がします」

 

 新たな“応援団”の発足は、高市首相にとって追い風以外の何ものでもないが、不安要素もありそうだ。

 

 別の自民党関係者が言う。

 

「最近、党内では『高市さん、少しやせたね』という声が出ています。持病の関節リウマチを抱えながら、激務をこなしている高市さんですが、薬で抑えているとはいえ、痛みがかなり強く出る場合もあるようです。党総裁室の関係者は『つらそうだ』とも漏らしていました。体調に何も問題がなければ、高市さんが長期政権になることは、まず間違いないとみられています。ただし、かりに健康状態が悪化するなどして、肉体的も精神的にも持たなくなって、急に辞任するような事態になり、総裁選を実施せずピンチヒッターで登板、ということになれば、首相の業務をこなせるのは茂木さんしかいないという声が、党内では出ています。

 

 茂木さんは、党国会議員の人気は低いですが、首相の責務は果たせるでしょう。また、体調悪化などで高市さんが2027年秋の総裁選に出馬しなくなった場合は、人気薄の茂木さんの勝ち目はなくなり、小泉、小林、林の3氏での総裁選になるだろう、といまのところ、見られています」

 

 今回の「国力研究会」の狙いや動きについて、政治部デスクはこう語る。

 

「事務局は山田宏参院議員や菅原一秀衆院議員といった、親高市グループが担っていますが、実質的な首謀者は麻生副総裁です。総裁選に出馬したメンバーを集めているのですが、麻生氏が『林芳正だけは入れるな』と指示を出して、林氏だけ外したようです。岸田元首相のもとにも案内が来たようですが、岸田氏はこうした事情を考えて断ったみたいです。

 

 会合は、高市首相が次の総裁選で無投票再選するための土台作りという意味合いがあります。小泉防衛相は、もともと高市内閣で重用されながら、党内で人集めなどをしていなかったので、ふたつ返事で参加を了解したと聞きました。小林政調会長も、武田元総務相から彼のグループへの参加を求められたものの、断ったばかりですから、副次的な関係づくりの意味を込めて参加したとのこと。

 

 参院では松山参院議員会長が加わるものの、石井参院幹事長の参加は不透明。党内では、高市首相の強引な政権・国会運営への批判が少しずつ出始めたばかりですので、『大政翼賛会的な組織を作って、ぐうの音も言わせない装置』といった、やっかみの声が宏池会関係者などから出ているようですね」

 

「国力研究会」は、5月21日に発足記念講演会を開催する予定で、ジョージ・エドワード・グラス駐日米国大使が「トランプ大統領・高市首相による日米黄金時代のビジョン」という内容で、講演するという。

 

 はたして、この“高市応援団”には何人の国会議員が参加するのか。2027年秋の総裁選はすでに始まっているようだ。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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