社会・政治
売人が明かした「覚醒剤はこうして取引される」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.01.20 06:05 最終更新日:2016.03.04 00:08
「最近の若いやつは覚醒剤を買わなくなった。危険ドラッグや大麻に移行している。お客の中心は40代だ」
東京都内で覚醒剤の売人をしているA(30代)は、最近の客層についてそう語る。今は「新規にお客を増やすより、常連客を大事にする」のだという。
警察庁の資料によると、覚醒剤事犯の昨年の検挙件数は1万5000件余り。年々微減しているものの、年間1万人余りが逮捕されている状況だ。
「お客の多くは定職を持たない人間。仕事は何かわからないけど、クスリを買う金は持っている。次に多いのは現場作業員だ。なかには地方都市の首長が、わざわざ買いに来る場合もある。ほかにはJRの社員もいる。売る側としては、ちゃんとした仕事をしている客のほうが安心して売ることができる」
現在の覚醒剤の値段は1g3万円から4万円。売人の仕入れ値は7000~8000円で下落傾向にあるという。1人の売人が持つ客数はおよそ50人。客1人は月に平均して10万円分ぐらい買うというから、売人の売り上げは月に500万円に上るのだ。
「最近はアフリカから入ってきている。アフリカ産は覚醒剤の結晶にゴミが入っていることもあるが、ものとしてはいい。中国から入ってくるものも多いが、いいものはそんなに多くない。いちばんいいのは北朝鮮産だが、今はほとんど入ってこなくなった」
産地によって仕入れ値は変わってくるというが、売値は客を見て決める。
「芸能人は一般客の2倍から3倍の値段がついた。5倍の値がつく有名人もいる。相手を見て値段は変わる」
こうした覚醒剤はどうやって国内に持ち込まれるのか。これまでは船で運ぶルートが主流だったが、最近は違う運び方をしているという。
「じつは水に溶かしてペットボトルに入れて運ぶ方法が多くなっている。500ミリリットルのペットボトルで覚醒剤100g分ぐらいを溶かすことができる。それを乾燥して再結晶化させる。ジュースでもなんでもオッケー。ただ、一度に大量に持ち込めないのが難点」
売人が持っているのは、売り専用の携帯電話。この携帯に客の携帯番号が登録してある。電話がかかってくると、その日の待ち合わせ場所と購入量を決め、時間に合わせ覚醒剤を運んでいく。覚醒剤はお菓子のパッケージに入れて、レジ袋に入れる。あとは待ち合わせ場所で、現金を入れた客のレジ袋と交換すれば売買は成立するのだという。
(FLASH+ 2015年12月5日増刊)