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【独占インタビュー】村上誠一郎前総務相、国力研究会を「将来の日本を真剣に考える場ではない」高市政権“底割れ”の現状

社会・政治 記事投稿日:2026.06.07 06:00 最終更新日:2026.06.07 06:00

【独占インタビュー】村上誠一郎前総務相、国力研究会を「将来の日本を真剣に考える場ではない」高市政権“底割れ”の現状

インタビューに応じる村上誠一郎衆議院議員(写真・梅基展央)

 

 5月21日、高市早苗首相(自民党総裁)を支えることを目的にした議員連盟、「国力研究会」が発足した。

 

 発起人など主要メンバーは、麻生太郎副総裁や萩生田光一幹事長代行など、党幹部の面々。小泉進次郎防衛相、小林鷹之政調会長ら、2025年の党総裁選立候補者も参加メンバーに名前を連ね、入会者は自民党国会議員のじつに8割を超える、巨大議員連盟になった。

 

 この動きに「高市政権の財政、金融、外交政策には、専門家からも疑問が投げかけられている。それなのに、数に頼って大政翼賛会のようなものをつくり、少数意見に配慮した政策議論をしようとしない」と批判を強めているのが、村上誠一郎前総務相だ。

 

「大政翼賛会」とは、1940年代、ナチスの一国一党体制を目指した日本国内の政治家たちが、既成政党を解散して近衛文麿首相が総裁となったグループ。この後、第2次世界大戦の戦火は本格化する。

 

「私は国力研究会が発足することを聞いて、『これはおかしい』と思いました。まともな政策論争をすることもなく、人数を集めて数の力で押し切ろうという考えが見え見えでしたから。国民や次の世代の若者たちのことを考えているのかと思い、悲しくさえなりました」

 

 本誌の取材に、村上氏はこう強く語った。国力研究会、自民党、そして高市政権……。“身内”であるはずのこうした組織に、彼の舌鋒は鋭く向かった。

 

 高市政権に対して、数々の政策提言をしている村上氏。「財政健全化・政策金利の引き上げで、円安が原因の物価高対策をする」「消費税減税による、2年間で10兆円といわれる税収減の穴埋め」「対中国関係悪化の打開」「ガソリン補助金に起因する財政限界・脱炭素社会の逆行」「国内食料自給率38%の食料安全保障対策」など、枚挙にいとまがないが、なかでももっとも重点においているのが「財源をどうするか」だという。

 

「高市首相は総務大臣の経験もあるから、税収の悪化が地方経済にどのような影響を及ぼすのか、わかっているはずです。いろいろと経済政策を打ち出していますが、肝心の財源論の議論がないんですよ。日本は1400兆円も借金を抱えています。それでもどんどん補助金を出している。これが地方切り捨てにつながらないか心配です。

 

 いまの円安も、財政が悪化していることに大きな原因があるんです。政府と日銀が為替介入しても、すぐ円安に戻ってしまう。日本の国富が海外に流出している状態です。私は、財政規律と民主主義を守ることは政治家の使命だと思っていますが、その意識が『国力研究会』のメンバーにはあるのだろうか。

 

 会の参加者は、高市首相の次を狙っているか、あるいは自分の選挙に有利になるからと思っているか、といわれている。私に言わせれば、あの会は将来の日本を真剣に考える場ではない。心ある政治家が集まっているわけではない。日本の将来を置き去りにしているとしか思えません」

 

 こう着状態が続いている日中関係については「外交は相手国と対等であるべき。高市首相が習主席にきちっと説明することが大切だ」と村上氏。

 

「1972年に日本と中国は国交を正常化しましたが、その共同声明で中国は、台湾が中国の領土の不可分の一部であることを表明し、日本は中国の立場を十分、理解し尊重すると表明しました。高市首相の、例の“台湾有事発言”は、安倍(晋三)元首相も含め意図的に曖昧にしていた問題を、国会で踏み込んだ発言をしてしまった。自分の意図をしっかり説明する必要があるでしょう」

 

 その高市首相だが、政権の支持率はいまだ高水準でも、自民党にはいい風が吹いていない。地方選挙をみると、3月の石川県知事選では馳浩候補が、4月の20首長選では9人の自民党推薦候補が負けているのだ。

 

「高市政権の支持率が高いのは『多大なる期待』によるところが大きい。いまはその底が、だんだん割れ出している。高市首相になって7カ月が経ちますが、私が心配しているのは『選挙に勝ったからといって、政策が正しいかどうかは別問題』ということなんです。

 

 自民党に投票した有権者は全体のわずか20数%です。半分以上の有権者は他党に投票している。つまり、政策が正しいかどうかは、選挙に勝とうが負けようが、つねに冷静に判断しなければならないということです。それがまったく判断されないで、『多数を集めればそれでよし』とするのであれば、道義や正義は貫けないですよ。そして、その先にあるのが、憲法改正と皇室典範改正のゴリ押しです」

 

 こうした自民党の強引な雰囲気について、村上氏は「非常に危険を感じる」と指摘した。

 

「私も 10年近く党総務会にいました。かつては梶山静六先生、粕谷茂先生、加藤紘一先生、亀井静香先生など論客ぞろいでしたが、いまは発言する人が少なくなってきました。

 

 ひとりで正論を言うのは、しんどいんですよ(笑)。もっともっと、若手が発言してほしい。民主主義は自由闊達な議論が大切です。昔は議論が白熱して、灰皿が飛びかったなんていうエピソードもあったくらいです。ベテラン議員も、若手の面倒見が悪くなっている。私たちが若手のころは、先輩ともしばしば議論して、先輩も『そうだな』と理解してくれたりしました。いまは、そうした議論できる関係性がないのではないかと思いますね。

 

 さらにもっと心配なのは、国会議員になる前に、少なくとも財政・経済・金融・外交・国防とか、基礎的な勉強をしているのかということです。中選挙区時代は、議員が個人で支持者と組織を作って、選挙を戦ってきました。自分の両足で立っていたんですよ。

 

 それがいまは、公認権もカネも人事も党がすべて握っている。そうなると『右にならえ』でひれ伏してしまう。この傾向は、安倍政権のときから強くなった感じがしますね。もっと言えば、小泉政権のときに郵政解散をしました。2005年です。そのとき、東京10区に小池百合子さんが『刺客』として立候補して圧勝しました。あのことがいまでも国会議員のトラウマになっている。『党の方針に逆らうと、選挙で落とされてしまう』とね。それで言論の自由も奪われたんだと思いますよ」

 

 そういって、村上氏が本誌記者に渡したのが、石橋湛山元首相の手記の一節だ。

 

《派閥のためにのみ動き、自分の親分の言うことには盲従するというように、いまの人たちはあまりに弱すぎる》

 

 1967年に発表されたこの手記の一節が、村上氏はいまの自民党の現状を言い当てていると語る。

 

 最後に「いまの日本は、どんどん国力が失われつつある。心配です」と語った村上氏。国力勉強会では、どんな日本の未来が議論されるのだろうか。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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