
高市早苗首相(写真・長谷川 新)
高市早苗首相の周辺に、どうにも落ち着かない空気が漂っている。内閣支持率は依然として高い水準にある。ところが、複数の世論調査を見れば、不支持率はじわじわと上昇。看板政策として打ち出した消費税減税にも、国民の喜びは見られない。そんななか、世間の耳目を集めたのが、8月6日の“歯科医院通い”だった。
当日の流れはこうだ。午前8時、高市首相は広島市の平和記念公園でおこなわれた「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)」に出席し、原爆資料館や原爆養護ホーム「神田山やすらぎ園」を訪れた。その後、帰京の途に就き、14時に羽田空港に降り立った首相が向かった先は、官邸でも公邸でもなく、東京都杉並区内にある歯科医院だった。しかも、滞在時間は約3時間。往復の移動時間まで含めれば、高市首相はこの日、歯科治療のためにじつに約5時間を費やしたことになる。
「首相といえども医療機関を受診する権利はありますが、今回ばかりは事情が違うのではないでしょうか。なにしろ、8月6日は広島原爆投下の日。首相にとって、1年でもとくに重要な行事に臨む日です。
しかも、この日は北朝鮮による弾道ミサイル発射まで起きていました。ミサイル初動対応は、国家安全保障局、防衛省、外務省などの間で、いわばマニュアル化された部分もあり、首相が官邸にいない状況でも対応できる体制にはなっています。ですが高市首相は、安全保障政策を自身の“看板政策”のひとつとして掲げてきたため、発射を知った時点で官邸に戻るという判断も当然、選択肢としてあったはずです」(政治担当記者)
では、当日、高市首相は歯科医院で何をしていたのだろうか。歯科医院の近隣店舗で働く従業員に話を聞いた。
「これまで3回、いらしており、公用車を降りると周囲に軽く会釈をしてから、医院に入っていました。ところが今回は、集まった人に目を向けることなく、医院の入り口ぎりぎりまで公用車を寄せ、そのまま中へ入ったそうです。近くでは規制がされる“厳戒体制”でした」
7月25日に国会が閉会となったものの、消費税減税の法案成立など重要タスクは山積み。高市首相にとっては“勝負の夏”となる。
「関連法案は今秋に想定される臨時国会へ提出される見込みですが、参院では自民党が少数与党。日本維新の会、日本保守党の議席を加えても、過半数には届きません。皇室典範改正などで与党側と歩調を合わせたチームみらいも、消費税減税には否定的な立場です。
そのうえ“身内”である自民党の中谷元前防衛相や宮澤洋一前税調会長らが消費税減税に反対の立場を取るなど、本会議で棄権する可能性すらあります。そうなれば、採決はますます綱渡りです。衆院の再可決という“強硬手段”もありますが、そこまでやれば参院議員との亀裂が決定的になります。簡単には踏み切れないでしょう」
この夏、首相が気にすべきなのは、歯の状態だけではなさそうだ。
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