
8月4日、自民党役員会に出席した高市早苗首相(写真・長谷川 新)
終戦の日を迎えた8月15日、日本武道館(東京都千代田区)でおこなわれた全国戦没者追悼式の式辞で高市早苗首相が述べた一節に異論が噴出している。
高市氏は戦没者に哀悼の意を表する言葉を述べたあとにこう続けた。
「戦後、我が国は一貫して、平和を重んじる国として歩みを進め、世界の平和と繁栄に貢献するために力を尽くしてまいりました。戦争の惨禍を、二度と繰り返させない。戦後81年が経ちますが、歳月がいかに流れても、この決然たる誓いを、世代を超えて継承し、貫いてまいります」
政治担当記者が言う。
「これまでこの式典での首相の式辞は『戦争の惨禍を繰り返さない』という表現でした。しかし、高市氏は『繰り返させない』とあえて“せ”を入れた言葉に変えました。これまでの首相が話した『繰り返さない』という文言には、日本が同じような過ちを『繰り返さない』という決意を表明するものでしたが、『繰り返させない』に変わったことで、日本の責任が曖昧となるような表現になりました」
この「繰り返させない」という高市氏の言葉には、X上には異論が噴出する事態となっている。
《「繰り返させない」という表現、これは完全に「被害者史観」であり、今後も「一貫して被害者」であると明言しているわけだ》
《「せ」を入れたことで他責志向になりますね》
《それは権力者が言う言葉ではない。国民が権力者に言う言葉だ》
さらに、高市氏が1995年3月16日の衆議院外務委員会で日本の戦争責任について、「少なくとも私自身は、当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもないと思っております」と主張したことを参照し、《自分は当事者じゃないから、責任なんか感じていないということだろう。さらには、ちっとした被害者意識まで織り込んでいる》と批判する声も出ている。
また、高市氏のこの日の行動をめぐっては“異例の遥拝”も話題にのぼっている。
「高市氏は追悼式が行われる日本武道館に入る前、武道館の駐車場で車から降り、約600メートル離れた靖国神社に方向に向かって神道形式の『二拝二拍手一拝』で拝礼しました。首相の遥拝は異例のことのようです。高市氏は首相に就任する前は、閣僚だった時期も含め、毎年春と秋の例大祭の期間中や『終戦の日』に参拝していましたが、今回ばかりは中国や韓国などからの猛反発を回避するため、直接の参拝を見送り、遥拝という苦肉の策を取ったのでしょう。ただ、この遥拝についても野党からは支持者向けのパフォーマンスなどと批判が出ています」(同前)
自分は過去の戦争とは無関係という高市氏の信念はゆるがないようだ。
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