社会・政治
中核派のアジトに潜入…壁一面に公安警察官の顔写真が!
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.06.10 16:00 最終更新日:2018.06.10 16:24
分厚い鉄扉に無数の傷跡があった。家宅捜索の際、警察のエンジンカッターで焼き切られた傷を修復した跡だ。東京・江戸川区にある「前進社」。
警察庁により「極左暴力集団」に指定されている中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)の公然アジトだ。「関係者以外立ち入り禁止」の建物内に本誌のカメラが入った。
ドアを開けるとそこにまたドアがあった。奥にいるメンバーが確認してからドアが開けられる。さらに進むと、壁一面に公安警察官の顔写真が貼り出され、監視モニターが並んでいた。
迷路のように入り組んだ建物内は、機関紙「前進」などを印刷する印刷室などの活動拠点と同時に、一度に30〜40食作れる食堂、24時間入れる風呂場、洗濯場などがある生活の場でもある。常時、約100人がここで生活し、うち20〜30代は20人前後だという。
中核派全学連委員長の斎藤郁真さん(29)も「学生ルーム」の三段ベッドに寝泊まりしている。都内多摩地区の出身。中小企業経営者の父を持つ。
「そこそこ裕福な、恵まれた環境だったと思います。高校時代から政治には関心がありましたが、当時は『新しい歴史教科書をつくる会』に興味があって、新右翼的な傾向が強かったですね。
大学に入ったら、ちゃんと勉強をして、将来は公務員にでもなれたらと思っていました。そのままなら、今ごろは警察官になっていたかもしれません(笑)」(斎藤さん)
一転して左翼活動家になるのは法政大学法学部に入学してからのことだ。
「禁止されていたビラ配りをしたために、大学から除籍処分を受けたんです。火炎ビンを投げたのなら、議論の余地はあるでしょうが、ビラ配りやデモをしたくらいで、なんで処分されなきゃいけないのかと不満でしたね。
ある教授に相談したら、『私は大学に雇われた労働者だから』と言われたんです。その教授は民主主義を教えているリベラル派でしたが、既存の左翼っていざというときに頼りにならないなと感じました。それも、運動に入るきっかけになりましたね」
『資本論』は読みこなしている。そして、マルクスはいまもまったく色あせていないと訴えるのだ。
「資本主義経済は、どうあがこうとも人間を幸せにはできない。ブラック企業の問題でも、労働者の権利は法律で守られているはずなのに、労働現場では無視されているわけです。
今の社会はもう一度、19世紀のような時代に逆戻りしつつあるのではないでしょうか。現代において、マルクス主義はますます必要とされていると思います」
これまで7回の逮捕歴がある。だが、目の前の笑顔はあまりに屈託がない。
「いつかは世界革命を。そう信じていますから」
(週刊FLASH 2018年5月22日号)