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大阪万博「大屋根リング」工事めぐって「竹中工務店」元幹部が逮捕…水増し金で自宅リフォームも「氷山の一角」と専門家

社会・政治 記事投稿日:2026.08.22 15:54 最終更新日:2026.08.22 15:57

大阪万博「大屋根リング」工事めぐって「竹中工務店」元幹部が逮捕…水増し金で自宅リフォームも「氷山の一角」と専門家

逮捕された河井辰巳容疑者(写真・共同通信)

 

 累計来場者数は2557万人。大盛況のうちに閉幕した大阪・関西万博だが、わずか1年もしないうちに醜聞が持ち上がったーー。

 

 8月20日、竹中工務店社員で万博会場工事の総括作業所長だった河井辰巳容疑者が、送検された。容疑は2025年2〜6月にかけて、下請け会社の関係者と共謀し、万博会場内の仮設事務所の内装工事費を竹中工務店宛てに水増し請求させ、竹中工務店に約1369万円の損害を与えたというものだ。

 

「河井容疑者は、大阪・関西万博のシンボルである『大屋根リング』などの建設現場で総括作業所長を務めていました。大阪万博をめぐっては、建設費が当初想定の1250億円から2度増額され、約1.9倍の最大2350億円へと膨らみ、国民から疑念の目を持たれていました。

 

 おもな原因は材料費や人件費の高騰ですが、金額は少ないものの河井容疑者の “犯行” も原因となっていたわけですね。河井容疑者は水増しした見返りに、下請け業者に自宅をリフォームさせていたことも発覚しています」(事件担当記者)

 

 実際、リフォーム工事がおこなわれた奈良市内にある河井容疑者の自宅は、真新しい木材で外壁が覆われ、古い戸建てが並ぶ通りのなかで、ひときわ異彩を放っている。

 

 建築エコノミストの森山高至氏が、こう解説する。

 

「昭和の頃には、こういう事例がごく普通にありました。もともとゼネコンの現場監督は、発注の権限もあったんです。会社に対して、責任者として自分が利益を出しているんだから、自分だって多少はもらってもいいんじゃないの、と考えるような体質があったんです。大型物件だと、扱う金額は100億、200億という世界。そのなかで、個人的な蓄財をする人もいましたね。

 

 現場監督にとってはご祝儀みたいなもので、その代わり、監督は早朝から夜中までの激務、場合によっては現場に泊まり込みですから、何か予想外の事態が起きて損しそうなときも、自分の懐でカバーするというわけです。一方、下請け業者もそれをわかっているから現場監督の家の風呂を直すような営業活動をするんです。

 

 ただ、バブル期以降、徐々にコンプライアンスが厳格化され、業者への発注は基本的に本社経由の入札制へと移行しました。そう簡単には不正ができなくなったんです」

 

 では、なぜ今回の事件が起きたのか。元大手ゼネコン社員は、声をひそめてこう語る。

 

「常態化しているとまでは言えないものの、こうした事例は表沙汰にならない件も含めて、数年に一度は業界内で話題になりますよ。

 

 よくあるのは、現金が発生しないケース。たとえば、竹中工務店の所長が仮に何かの工事を1000万円で発注するとします。しかし、本来の工事費用は600万円なんですよ。残りの400万円で『自分(所長)の家を直して』と指示するわけです。今回の自宅のリフォームもこうした形だったのかもしれません。

 

 現金のやり取りが発生する場合は、“倍にして折半” するケースが多いですね。本来1000万円かかる工事であれば、2000万円で発注して、余った1000万円のうち、500万円を下請け業者が、残りの500万円を発注者が懐に納めるという形です。

 

 ただ、不思議なのは、今回逮捕されたということです。当然、竹中工務店としては表沙汰にしたくない。たいていのケースでは、社内で査問委員会みたいなものが開かれ、懲戒免職になったりとか、具体的な損害額があればそれを補填しろと会社に命じられたりするだけ。業界内で噂になっても、ニュースになることはありません。

 

 よほど下請け業者に対して酷い扱いをして、“チクられた”のか、あるいは今回の約1400万円が氷山の一角で、多額の利益を得ていた可能性もあるでしょうね。さらに気になるのは万博工事の多くがJV(ジョイントベンチャー)という形式。つまり竹中工務店一社の受注ではないということです。さらに多くのゼネコンが見て見ぬふりか、手を貸していた可能性もあります」

 

 森山氏は、そもそも大阪万博の “特殊な状況” にこうした不正を招く原因があったと指摘する。

 

「まさに国家的事業ですから、納期の遅れは絶対に許されない状況でした。しかし、当初の見積もりがそもそも杜撰だったために、あらゆる工程が遅れて、とにかく突貫工事ばかりでした。いまは労働基準監督署もすぐに入る時代ですが、36時間ぶっ通しで工事をした下請けもいたそうですよ。

 

 パビリオンについても、混沌とした状況でした。本当は鉄骨で作らなきゃいけない階段を木で作ったり、間に合わないからといって、手に入る材料に途中で切り替えたり……。時間がないのに手続きが煩雑で、かなり大変だったみたいです。

 

 一方で、何もしていない元官僚の委員が会議に出るだけで年収2000万を超える額をもらっているわけです。こうした状況ですから、モラルハザードが起きていたと考えるのが当然でしょう。

 

 現場監督は、どんなに頑張って成功を収めても、一社員として特別な利益を得られるわけでもない。そういうなかで『やってられるか、オレも少し小遣い稼ぎをしよう』と考えたのかもしれない。大阪万博はすべてがドンブリ勘定で、“全体が間に合えばいい” という空気のなかで不正が生まれたのでしょう。竹中工務店に限らず、こうした不正はまだまだ出てくると思いますよ」

 

 大成功の裏で、悲惨なモラル崩壊が起きていたというわけだーー。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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