
9月28日、横浜市長選挙への出馬を表明した前市長の山中竹春氏(写真・共同通信)
9月28日、職員へのパワハラが認定された問題で9月7日に辞職した横浜市の山中竹春前市長が、横浜市長選挙(10月4日告示、18日投開票)への再出馬を表明した。山中氏は1カ月前の8月28日に辞意を表明し、9月7日に辞職していた。
データサイエンスが専門の山中氏は2021年6月末、横浜市立大学医学部教授を辞職し、同年8月22日の横浜市長選で初当選。2025年に再選し、2期めを務めていた。
2026年1月、横浜市の久保田淳・総務局人事部長(肩書は当時。現在は横浜市こども青年局企画部長)の実名告発を「文春オンライン」が報じ、山中氏の不適切発言が表面化。1月15日に神奈川県庁で久保田氏が記者会見を開き、山中市長を告発した。それを受けて市が第三者調査をおこない、7月30日に調査報告書を公表した。
山中市長や久保田氏のほか職員らへのヒアリングやアンケート調査の結果、回答した294人のうち約65%がパワハラと疑われる行為を見聞きしたと回答。
社会部記者が言う。
「報告書では、山中市長は前人事部長(久保田氏のこと)に対し、怒鳴って机の上にある書類を投げつけ、国際会議の招致をめぐっては『できなければ切腹だ』と発言、『裏切ったらこれだからな』と指で銃を撃つ仕草をしたなどと書かれています。また、幹部職員に対して『人間のクズ』『ポンコツ』『ダチョウ』『おばさん』『スペックが低い』『頭が悪い』など人格を否定する発言をしており、これらは侮辱行為としてパワハラ認定されています。ほかにも深夜や休日を問わない業務連絡や、特定幹部職員らの市長室への『出禁』が明らかになっています」
調査結果を受けた山中氏は7月30日、横浜市役所で記者団の取材に対し、「認定された内容について、きわめて重く受けとめている。職員のみなさんが安心して働き、率直に意見を述べられる環境に影響を与えたことをおわびする」と謝罪した。
本誌Smart FLASHは、市長選前の2021年8月2日、山中氏が横浜市立大学医学部教授時代におこなっていたパワハラを同大学関係者の証言をもとに報じている。
当時、同大学関係者は本誌にこう証言していた。
「山中先生の同僚、秘書、部下など、この数年間で15人以上がやめているんです。多かれ少なかれ、先生の高圧的な言動が原因です」
本誌が入手した一通のメールにはこう記されていた。2019年11月17日、山中氏が、人材の採用について相談してきた同僚のA教授へ送ったものだ。
「『干す』ことにより、●●先生は自ら去りました。■■君についても同様に対応した方がいいと思います」
「干す」という強い言葉にA教授は驚き、複数の同僚とメールを共有するほどだった。
また、若手研究者のBさんは「自分は山中氏から“干された”一人だ」とし、こう証言した。
「数年前、データ入力で、本来反映されているべきデータが抜け落ちているというミスを犯しました。作業の途中では起こり得るものなのですが、山中先生にはその1回のミスで『君には向いていない。休みをあげるから次の仕事を探してきたら』と言われました」
その後、仕事を振られなくなったBさんはこう話した。
「別の先生が僕に仕事を手伝わせようとしたとき、山中先生が『あいつに仕事させるな』と言うのを聞きました。山中先生のハラスメントに耐えられなくなり、山中先生からもう一度『やめてくれ』と言われたときに、退職することにしました」
横浜市立大学医学部教授時代のパワハラ体質は、横浜市長に就任したあとも改善されることはなかったようだ。
山中氏はこれまで再出馬への明言を避けつつ、横浜市内の各駅頭などに立ち、頭を下げながら“謝罪”を繰り返していた。
しかし、山中氏の再出馬にX上では非難の声が殺到している。
《横浜市民はもっと怒るべきだと思います。完全に市民、市会、市職員をおちょくってる》
《パワハラで辞職した人間が、辞めた職場に戻ろうとする行為は、パワハラ被害者への二次被害でしかないです》
《本当に反省してたら出馬しようなんて思うわけがない 結局口先だけ》
横浜市長選には、山中氏以外にこれまで自民党横浜市連と国民民主党神奈川県連が推薦する弁護士の原澤敦美氏、参政党が推薦する会社経営者の福山敦士氏、立憲民主党神奈川県連が支援する前衆院議員の中谷一馬氏、市民団体代表の藤川祥子氏、そして共産党神奈川県委員会副委員長の浅賀由香氏が立候補を表明している。
政治部記者が言う。
「横浜商工会議所など地元経済界も支援する原澤氏が最有力候補とみられています。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了後に技術系総合職として日本航空に入社し、整備士として勤務。41歳で弁護士になったという変わり種ですが、1989年にはミス横浜にも選ばれています。彼女はコンプライアンスやハラスメントの専門家ですから、山中氏の後任には持ってこいの人物とも言えます。あとは、2025年と2021年の横浜市長選に立候補した作家で元長野県知事の田中康夫氏の動向が注目されています」
横浜市民は山中氏にどういう答えを出すのだろうか。
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