
立憲・泉代表の発言はウィットを利かせたものだったが……5月29日撮影(写真・長谷川 新)
2月の総選挙直前、立憲民主党と公明党の衆院議員らによって結成された中道改革連合は、ほどなくして3つに分裂した。旧立憲議員が新たに立ち上げた「民主改革の会」、旧公明議員が復帰する公明党、そして政党助成金を受け取るためだけに議員1人で存続する中道改革連合である。2017年、小池百合子東京都知事が立ち上げ、後に“騒動”と揶揄された希望の党を思わせる、なんともあっけない終幕だ。
ただ、永田町で注目されたのは、その分裂劇とは別のものだ。立憲の元代表でもある泉健太氏と、衆院会派「有志の会」に所属していた無所属議員の緒方林太郎氏が、新たな会派を結成したことである。2人はともに旧民主党議員。大手紙の政治部記者が語る。
「泉さんも緒方さんも、国会で会派として活動する上で、民主改革や公明と正面から敵対するつもりはないようです。ただ、泉さんは中道改革連合の事実上の解党につながる今回の処置に、一貫して反対していました。政治的な責任があるという思いから、今回新たに結成された新党には参加しないと決めたようです」
泉氏が距離を置いた一方で、緒方氏の去就にも関心が集まっていた。外務省出身の緒方氏は、これまで2度の落選を経験している。しかし、直近2回の総選挙では無所属で小選挙区を勝ち抜いた。旧民主系の政党に所属していれば、今ごろは党政調の中枢にいても不思議ではないと評される人物である。自民党関係者からは「最強の無所属」と評価された異色議員だが、緒方氏自身は先の総選挙に際し、「無所属で戦うのは最後になる」と周囲に語っていたという。そのため、どの政党、どの会派に身を置くのかは、密かに永田町の関心事となっていた。
そして、9月28日、泉氏のSNSアカウントから、衆議院事務局に会派結成届を提出したことが報告された。会派名は「志士の会」。秋の国会では、消費税減税や副首都法案などの審議が予定されている。にもかかわらず、たった2人での船出でしかない、この小規模な新会派に注目が集まるのは、巨大与党を前に、野党勢力が存在感を示せていないことの裏返しでもある。
「泉さんが立憲の代表を退いた背景には、明らかな“泉下ろし”がありました。その中心にいた野田佳彦さんを軸とする議員グループや、支持組織である連合の関係者と、今回の中道改革連合を結成したメンバーが重なっている。あのとき党内に生じた疑心暗鬼は、今も完全には消えていません。野田さんら参議院の旧立憲議員からすれば、決して無視できる存在ではない。警戒感はあるでしょう」(同前)
一方、緒方氏についても、旧民主系議員との間に微妙な空気が漂っているという。
「緒方さんは、いわば“手あかのついていない”議員です。外交官出身で、国民民主党の党首の玉木雄一郎さんや民主改革の代表の小川淳也さんのように連合などの労働組合の組織内候補でもない。しかし、なぜか、旧民主党時代からの議員たちには、緒方さんに対する、どこかやっかみのようなものがあるんです。とくに、玉木さんの緒方さんに対するライバル意識は、旧民主党のころからかなり露骨でしたよ。会派を結成した直後には、早くも“褒め殺し”まがいの投稿をしていました。先の総選挙で、玉木さんは自民党を利する結果になると承知のうえで、国民民主の公認候補を緒方さんの選挙区にぶつけたくらいです」(同前)
野党勢力の再結集を語るなら国民民主と民主改革の合同は欠かせないが、実現するのだろうか。
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