切り分けられ、クレーンで吊られたクジラの皮と肉。かつて未確認生物の死骸として話題となった「ニューネッシーようだ」という声が出ていた(撮影・梅基展央)
9月30日、千葉県匝瑳(そうさ)市の海岸に打ち上げられていた約17mのクジラの解体がおこなわれた。
「今回、漂着したのはナガスクジラと見られており、9月19日、海岸に打ち上げられているのが発見されました。すでに死んでいたようです。その後、台風25号が接近し、波浪警報が出たためにクジラはそのままに。腐敗により体内にガスが溜まり、爆発の危険があるため、県によりクジラの20m以内への立ち入りは禁止する措置がとられ、看板や規制線が設置されていました」(社会部記者)
そして発見から11日め、国立科学博物館と学生ボランティア、クジラ類の回収をおこなっている団体や県から委託された建設会社などにより、学術調査とともに解体、埋却がおこなわれた。現場では、作業する人々が刃物などを用い、クジラの死骸を皮や肉、骨などに分ける姿も見られた。
分けられた骨のなかでいちばん大きなものについて、現場で作業する研究員が語る。
「頭の骨ですね。ただ、大きく割れています。これが腐敗によるものなのか、そのほかの要因なのか、詳しく調べないと何ともいえません」
クジラがなぜ千葉の海岸に打ち上げられたのか、その理由は今後の調査で明らかになってくるかもしれない。また、現場にいた大型クジラ類の打ち上げ死体を回収する団体の関係者は「クジラ類の漂着は、日本全国で年間300件ほどと、意外と多いんです。しかし今回のクジラは、そのなかでも大型な部類に入ります」と話す。
クジラの解体が終わると、大型の重機で海岸に穴が掘られ、肉片などが砂浜に埋められていった。海岸を県から委託され、管理している建設会社の関係者は「大型のゴミや流木はありますが、クジラは初めてです」としながら「今回は重機の手配などを担当しました。海で重機を使うと、さびてしまう可能性があるので、自社のものではなくレンタルしています。県からは、いつもの管理料のほか、今回は別途、予算が出ます」と話していた。
大型クジラの撤去については2023年1月、大阪市内の淀川河口付近に迷い込んだマッコウクジラの死骸を処理する際、約8000万円という多額の費用がかかったことが話題となった。今回の費用について、千葉県の海匝(かいそう)土木事務所の担当者に問い合わせると、
「作業をおこなった建設会社などからの見積もりはこれからですので、費用はまだわかりません。ただ、大阪市のように船で海洋に投棄するような大がかりなものではなく、海岸での重機による作業ですので、常識的な範囲になるのではないかと思っております」
という回答だった。台風一過、またも自然の大きさを実感させるようなニュースだった。
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