
2025年12月、「こども性暴力防止法」の公式キャラクター「こまもろう」のパネルを見せる渡辺由美子こども家庭庁長官(写真・共同通信)
9月29日、東京都教育委員会は、2026年12月25日に「こども性暴力防止法」が施行されるのを前に、先行して都内の全公立学校のすべての常勤教職員に対して「性犯罪歴」を確認することを明らかにした。英国で導入されている、子どもと接する業務をおこなう職員全員に性犯罪歴の確認を義務づける制度「DBS」を参考にしたもので、日本において公立施設でおこなわれるのは初の試みだという。
「都内に公立小・中・高校、特別支援学校などは約2100校あり、約7万人の教職員が働いています。今回はチェックシートなどで確認をするということですが、将来的には国の犯歴照会システムも活用するそうです。
非常勤の教職員については、すでに2026年度から採用時に確認をしています。事実と異なる回答をすると処分を受ける可能性があり、性犯罪歴などが確認されれば、子どもと接する業務からは外す措置がとられます」(社会部記者)
犯罪予知アナリストの京師(きょうし)美佳氏は「子どもを守るための一歩として評価できます」として、さらに「性犯罪、とりわけ子どもを対象とした性犯罪は、一度、被害が起きれば、その後の人生にも長く深刻な影響を与える可能性がありますから『事件を起こさせない環境をどう作るか』が非常に重要です」と指摘する。
保護者としては、ひとまず安心材料になるが学習塾やスポーツクラブなど、民間の習いごと教室でもおこなわれるのだろうか。2023年8月には、大手進学塾の講師が、授業中の生徒を盗撮する事件も発生している。京師氏が続ける。
「現行制度では、学校や認可保育所などが義務対象となりますが、学習塾やスポーツクラブなどは、事業者が国の認定を受けた場合に制度の対象となります。
しかし、子ども自身が『学校だから守られる、塾だから任意』という線引きを理解しているわけではありませんから、民間事業者についても、できるだけ多くの事業者が認定制度に参加し、性犯罪歴の確認を含めた防止措置を導入していくことが望ましいと考えます」
認定を受けていることが、保護者にとって塾や習いごとを選ぶ際の安全基準のひとつになるともいえる。さらに京師氏は「犯罪歴の確認と同時に『犯罪が起きにくい環境』を作ることも重要です」と、いくつかのポイントを提示する。
「犯罪歴がない人が、初めて犯罪を起こすケースもあるからです。多層的な対策として『教職員と子どもが密室で一対一にならない』『教室や指導スペースでの死角を減らす』『必要な場所には防犯カメラを設置する』『職員による私物スマートフォンでの児童撮影を、厳格に管理する』『SNSや個人LINEなどで、教職員と児童が個人的につながらないルールを設ける』『相談できる窓口を作る』……などが必要です」(京師氏)
子どもが安心して学べるための環境整備は、大人の義務だ。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







