9月30日に銃撃事件が起こった現場。規制線が張られ、報道陣が詰めかけた(写真・馬詰雅浩)
9月30日、神戸市中央区と兵庫区で、拳銃の発砲事件が連続して起こった。中央区の現場では58歳の男性が死亡し、兵庫区では50代の男性が撃たれたが、意識はあるという。兵庫県警は2カ所めの現場で男性の身柄を確保、殺人未遂容疑で逮捕した。男は、元六代目山口組佐藤組幹部だった亀谷直人容疑者、現在79歳だという。
白昼の住宅街での発砲事件に、現場周辺は騒然となった。ある暴力団関係者はこう話す。
「すぐに発砲事件の情報が駆けめぐってきました。撃たれた被害者は不動産関係者だということで、なにか不動産トラブルが発生したようです。
亀谷容疑者と言えば、2002年に東京駅近くで、当時の五代目山口組侠友会幹部を射殺した実行犯として知られる人物です。その後、懲役20年の判決を受け、長年服役していました。
2002年の事件後に組は解散になっていましたが、そうした有名な過去があるため、今回容疑者として名前が出てきたのは驚きました。まさかまた発砲事件を起こすとは――」
じつは、事件の数カ月前、亀谷容疑者と会っていた人物がいる。元山口組系暴力団組長で、現在は投資家や評論家として活動している “猫組長” こと菅原潮氏だ。本誌は菅原氏と亀谷容疑者との写真を入手。菅原氏に聞くと、同容疑者と再会したときの様子をこう語った。
「私は以前、亀谷さんと同じ佐藤組にいたので、彼のことはよく知っています。2カ月ほど前に亀谷さんから連絡があり、東京駅近くで会うことになったのです。亀谷さんは射殺事件で長く服役して最近出てきたので、出所祝いという思いもありました。
亀谷さんはもうすぐ80歳になるのですが、意気軒昂でしたね。昔ながらの男らしいところのある人ですよ。ただ、そのときは今回の事件につながるような話は何もしていませんでした。
足を悪くしていて、『カバンをやめてリュックに替えたよ』と話していました。そのリュックには、安全マークをつけていたんです。そんな体で発砲事件を起こすとは思いもしませんでした」
たしかに本誌が入手した写真の亀谷容疑者は、革ジャンをまとい元気な様子が確認できる。事件発生の半年ほど前の写真だという。一方、彼の「任侠道」については、菅原氏も一目置くところがあったようだ。
「彼は本物の極道でした。2002年に事件を起こした際、私は彼の裁判にすべて通いましたが、『自分はなにも反省していません』と証言していましたね。
『自分はヤクザですから。やるか、やられるかなので』と。裁判では無期懲役を求刑されましたが(判決は20年)、亀谷さんは『死刑にしてください』と申し出ていました。
当時は破門などの処分が下されたと言われていましたが、組織からは何も処分はなかったのです」
敵対勢力の会長を射殺した亀谷容疑者は、「ヤクザとして、もう後悔はない」という思いだったのだろうか。
「彼が刑務所から出てから会ったとき、出所祝いを渡そうとしましたが、『自分よりも若い者から祝いの品を受け取るわけにはいかない』と、最後まで受け取りませんでした」(菅原氏)
一方、前出の暴力団関係者は、今回の事件で警察の締めつけがいっそう厳しくなるのではないかと危惧しているという。
「ここのところ、ヤクザの発砲事件などは起きていませんでした。つい最近、六代目山口組と絆會、池田組とは抗争が起きていないとして、特定抗争指定を解除されたばかりでした。
それなのに、元組員とはいえ、発砲事件を起こして一般人を射殺してしまった。現役の組員は統制が取れているから、もう発砲事件なんて起こさないのに、まさか昔かたぎの元組員が起こしてしまうとは……。
ヤクザ界ではみな驚いているでしょうね。その証拠に瞬く間に情報が流れてきた。拳銃の入手ルートもこれからいろいろ調べられることになりそうです」
亀谷容疑者は、なぜ再び凶行に及んだのか。今後の捜査の進展が急がれる。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







