
日本時間9月23日、日米首脳会談をおこなった高市早苗首相とトランプ米大統領(写真・共同通信)
高市早苗首相の外交姿勢が問われる事態となっている。
高市氏は米ニューヨークでの国連総会に出席し、9月23日には日米首脳会談をおこない、両首脳は日米同盟をいっそう強固なものにしていくことで一致したなどと外務省は発表していた。
ところが、日米首脳会談後の25日におこなわれた米中首脳会談では、米ドナルド・トランプ大統領から思わぬ発言が飛び出したのだ。
政治部記者が言う。
「トランプ大統領は、米中の関係性について『第2次世界大戦で同盟国として、ともに戦った』などと異例の発言をしました。そして、ホワイトハウスで開かれた晩餐会でも、『両国の関係がこれほどよかったことはなかった』と友好関係を強調したのです。
中国の習近平国家主席も『80数年前、中国とアメリカの人民は肩を並べて日本の軍国主義の侵略者と戦った』とあいさつし、日本を非難するかの如く、米中の友情を謳ったのです。
高市氏も外務省も、トランプ大統領の “同盟国” 発言は、中国に対するリップサービスと捉えはしたものの、想定外だったと思われます」
高市氏は25日、この “同盟国” 発言について記者団に対し、「第三国間のやりとりであり、逐一コメントしない」としていたが、25日にアメリカのホワイトハウスが公表した米中首脳会談の合意事項をまとめたファクトシートには《両首脳はアメリカと中国が第2次世界大戦で同盟国であり、ともに戦って勝利を収めたことをあらためて確認した》と記されていた。
こうした流れのなかで、高市氏は26日21時から20分間、トランプ大統領と電話会談をおこなったと公表。
会談後、報道陣に対し、「今般の米中首脳会談について、詳細に説明がございました」としたうえで、「経済安全保障を含む経済や安全保障など中国をめぐる諸問題を中心に意見交換をおこない、日米の連携を確認しました」と述べた。さらに、「1週間に2度の首脳会談を実施したことは、日米関係の絆の強さを示すもの」とも強調した。
ところが、26日夜、Yahoo!ニュースエキスパートに発表された《トランプ「中国は同盟国」発言は事前に習近平と調整 梯子を外された高市首相》の記事では、高市氏自身の視点とは異なる視点での記事が発表され、注目されている。
執筆者は、筑波大学名誉教授で、中国の現状や動向について分析・調査するシンクタンク「中国問題グローバル研究所」の遠藤誉所長だ。
「遠藤氏はこのレポートで、ホワイトハウスが公開した歓迎式典の動画やトランプ氏のスピーチ台本などを分析。『中国は同盟国だった』関連はスピーチ原稿の3分の1を占めること、トランプ氏が台本を見ながら発言していたこと、さらに習近平氏も台本を見ながら『トランプ大統領が先ほど言ったように』と同じ話をしていることから、《高市早苗は潔く「トランプに梯子を外されたこと」を認めるべきだろう》と記しています。
そして、レポートの最後は《サナエがどんなにドナルドに熱い視線を送っても、ドナルドは今のところ(戦略的にしろ)習近平にしか熱い視線を送っていない》としています。これを米中2極体制の恐ろしさだとしたのです」(前出の記者)
中国問題の専門家から「梯子を外された」と指摘された高市氏はこの警鐘をどう受け止めているのか。Xには《このままでは、『世界の真ん中で咲き誇る日本』どころか、『世界の片隅で孤立する日本』になってしまう》と高市外交を懸念する声もあがっている。
日中関係をめぐっては、2025年11月7日、衆院予算委員会で立憲民主党の岡田克也議員(当時)の質問に対し、高市首相が「戦艦を使って、そして武力の行使もともなうものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると考えます」と答弁した、いわゆる “台湾有事発言” 以降、この発言に猛反発した中国との関係は冷え切ったままだ。
しかし一方で、経済面で中国との関係改善を望む声が出ている。
日本国際貿易促進協会会長として中国を訪問した岩屋毅前外相が、9月28日に中国の王毅外相と会談したことについて、経団連の筒井義信会長(日本生命前会長)は、29日の記者会見で「非常に評価している」などと日中関係の改善に向け、期待を寄せた。
首相に就任以来、トランプ大統領との親密さをアピールしてきた高市氏。その親密さを武器に、中国との関係改善をトランプ大統領に一役買ってもらう手もありそうだが……。
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