都市部を中心に普及しているカーシェアリング。タイムズカーはその最大手だ(写真・共同通信)
9月28日、パーク24グループのタイムズモビリティが運営するカーシェアリングサービス「タイムズカー」は、Webシステムへの不正アクセスにより、約660万件のアカウント情報が第三者に取得されたと発表した。
漏洩した情報には氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレスのほか、運転免許証画像などの本人確認書類情報が含まれている。クレジットカード情報の漏洩はなく、パスワードも復元できない形式で保管されていたというが、約160万件もの本人確認書類が流出したとみられている。過去の退会者や入会未完了者のデータも対象に含まれていたという。
流出した運転免許証画像の悪用リスクについて、ITジャーナリストの三上洋氏はこう解説する。
「今回は660万件の会員情報の漏洩、そのうち約160万件は運転免許証画像など、本人確認書類も漏洩したということで、不安が広がっています。この運転免許証の画像を使って、消費者金融でのローン契約や銀行口座の開設などに悪用される可能性があります。闇バイトを雇い、免許を偽造すれば、不可能ではありません。
しかし、2021年にもマッチングアプリ『Omiai』で、約171万件の個人情報漏洩事故が発生したことがあります。そのなかには運転免許証や保険証、パスポートも含まれていました。その後、規制が強化されて本人確認が厳格化されており、現在は携帯電話のオンライン契約は、免許証の画像だけでは手続きができなくなっています。銀行や消費者金融でも偽造身分証の対策は進んでおり、被害に遭う可能性は、以前よりかなり下がっていると言っていいでしょう」
とはいえ、免許証の画像には顔写真や現住所など、デリケートな情報が含まれている。不安に駆られたユーザーの間では、SNSを中心に“自衛策”が拡散されている。CICやJICC、KSCといった指定信用情報機関へ、本人確認書類が漏洩した旨を登録する「本人申告」制度を利用すれば、名義の悪用を防げるというものだ。実際にCICなどでは申し込みが集中し、パンク状態になっているという。
しかし、三上氏はこの動きに対して冷静な対応を呼びかける。
「私個人の意見としては、そうしたことを急がなくてもいいと考えています。まず、それぞれ500円、1000円といった手数料がかかります。そして、これらに登録すれば被害に遭う確率は下がりますが、100%、被害に遭わないかというと、そうとは言い切れません。また本人申告をおこなうことで、今後、クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりする際、本人確認が厳格化されます。確認書類が増えるなど、手続きが面倒になります」
あせって自己防衛に走る前に、事態の推移を見守るべきだと三上氏は指摘する。
「今回の件は660万件という、非常に多くの情報漏洩です。タイムズモビリティのみではなく、国土交通省などが乗り出して会社に適切な指導をおこなうなど、国が主導して動いてもいいレベルの事態だと考えています。急いで本人申告手続きをするよりも、会社や国の動きを待ってから判断してもよいのではないかと思います」
過去最大規模ともいえる情報流出事件。二次被害を防ぐためにも、まずは落ち着いた対応が求められている。
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