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赤い羽根募金、2億5000万円の着服発覚で “解散危機”…専門家が指摘する「杜撰すぎる1人管理」と「幹部の責任」とは

社会・政治 記事投稿日:2026.10.03 12:00 最終更新日:2026.10.03 12:00

赤い羽根募金、2億5000万円の着服発覚で “解散危機”…専門家が指摘する「杜撰すぎる1人管理」と「幹部の責任」とは

逆風のなか、10月1日にスタートした赤い羽根募金(写真・共同通信)

 

 “秋の風物詩” とよばれる「赤い羽根共同募金」。例年どおり10月1日から始まっているが、今年は、いつもとはいささか様相が違うものになりそうだ。約2億5000万円もの巨額着服が発覚したからだ。

 

「今年6月15日、『赤い羽根共同募金』を運営する北海道共同募金会(札幌市)で、約1億8000万円の使途不明金があることが発覚しました。着服したのは同募金会の会計責任者である58歳の元事務局長です。今年2月には、所得税法違反の疑いで税務当局の査察を受けていました。

 

 さらに、9月16日、同募金会は約7000万円の使途不明金があることを追加で発表し、総額約2億5000万円の着服が明らかになりました。元事務局長は事件発覚後の2026年7月13日付で懲戒解雇されており、同募金会は、刑事告発や損害賠償請求の手続きを進めています」(事件担当記者)

 

 善意が踏みにじられただけに、今後の募金活動への影響も大きいとみられる。

 

「使途不明金が発覚して以来、募金箱設置を見送る企業が相次いでいます。街頭の募金活動も、札幌市内では昨年434団体が協力しましたが、約300団体から辞退の申し入れがあったとのことです。1983年から募金箱の設置や街頭活動の場所を提供するなど、協力してきたイオングループも、今年度の協力を見送る方針です。

 

 そもそも、全国から集まる寄付金は1995年度の約179億5000万円をピークに2025年度は約115億1000万円と減少傾向が続いていました。このままでは、募金会の “解散” もありえない話ではありません。活動の助成金として募金から寄付金を分配されてきた福祉団体などからは、今後、支援が受けられなくなるのではないかと懸念する声もあがっています」(同)

 

 元事務局長は、2020年ごろから着服を繰り返していたことが明らかになっている。いったいなぜこれほど長期間にわたり、不正が発覚しなかったのか。背景には、通帳や印鑑の管理から監査への対応まで、すべてを1人に任せていた “1人管理” の構造的な問題があったという。

 

「通帳の保管、実印や銀行印の管理、ネットバンキングのパスワードの管理も、すべて元事務局長が1人で担当していたとのことです。元事務局長は誰のチェックも受けず、組織の口座から自分の口座へいつでも自由に送金できる状態だったわけです。

 

 また、元事務局長は金融機関から計1億9000万円を借り入れ、着服の穴埋めに使っていたことも発覚しましたが、理事会の議事録を偽造して金融機関に提出していたといいます。

 

 これに、ほかの役員や理事はまったく気づかなかったわけです。すべてを1人にまかせた結果、2億5000万円もの巨額着服が発生したのです。杜撰な金銭管理が招いた代償といえるでしょう」(同)

 

 今回の巨額着服の問題点を専門家はどうみるか。弁護士の紀藤正樹氏も “1人管理” の問題点をこう指摘する。

 

「報道によれば、元事務局長が印鑑から通帳までほぼ1人で管理していたそうですが、善意の寄付金であるにもかかわらず、組織内で巨額の使途不明金や着服が可能となっている仕組み自体がおかしいのです。

 

 金銭管理は、本来、複数の目で見なければなりません。しかし、こうした公益団体やボランティア団体では、労力を減らして収益を最大化しようとするあまり、会計責任者1人に業務を任せきりにしがちです。

 

 役員はほとんど働かず、実務を1人に押しつける。すると、まかせきりにされたほうは『自分ばかり頑張っているのに誰も手伝ってくれない。だから多少流用しても構わないじゃないか』という心境に陥りやすくなります。

 

 人を雇う余裕がないのであれば、役員のなかで担当責任者を決め、1カ月や半年に一度は通帳を必ず確認する体制を作るべきでした。それを怠っていたのです」

 

 元事務局長にだけ責任を押しつけるのではなく、幹部の責任も問われるべきだと続ける。

 

「私は、今回の問題では幹部の人たちの責任を非常に重く感じています。もちろん、手を下した人間の責任は当然あるのですが、幹部の人たちがどこか人ごとのように捉えている気がしてなりません。

 

 たとえば、不祥事の調査のために第三者委員会を作ると言いますが、その費用もまた赤い羽根募金から支払われます。本来起きるはずのなかった不祥事の尻拭いに、出費を強いられる。これは募金をした人からすれば許せないでしょう。

 

 結局、下の人間にだけ責任を取らせて、幹部の監督責任がどうなるのかが一番気がかりです。

 

 厳しい言葉を使えば、『寄付を管理する能力がない団体』だったとしか言えません。一見すると赤い羽根募金が被害者のように見えますが、ずさんな金銭管理に目をつぶっていた役員たちも責任を問われるべきです」

 

 幹部の “形だけ” の謝罪では、問題は何も解決しないのだ。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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