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「“身を切る改革” を言い出すときは負担増のとき」定数削減に日本共産党が猛反発…塩川国対委員長が訴える「小選挙区廃止」の正当性

社会・政治 記事投稿日:2026.10.06 14:28 最終更新日:2026.10.06 14:28

「“身を切る改革” を言い出すときは負担増のとき」定数削減に日本共産党が猛反発…塩川国対委員長が訴える「小選挙区廃止」の正当性

日本共産党の塩川鉄也党国対委員長(写真・長谷川 新)

 

 10月5日、臨時国会が召集された。今国会では、食料品の消費減税とともに、衆議院の議員定数削減に関する法案が大きな焦点となる。

 

 自民党と日本維新の会の与党が進める衆院議員の比例代表を45議席減らすという定数削減法案は、先の特別国会に提出されて継続審議となった。与党はこの審議を再開させる方針だが、野党は猛反対している。

 

 政治部記者が言う。

 

「議員削減を含む衆議院の選挙制度の抜本的な改革は、与野党の協議会で2026年4月から論議が続けられてきました。その結果、現行の小選挙区比例代表並立制の見直しや議員定数の在り方について、政党間であらためて協議をおこない、10月末をめどに具体的な結論を得るよう努力するという形になりました。

 

 ただ、協議会で各政党が主張した選挙制度の改革については、有識者による第三者機関を設置して1年以内に答申を受け、協議を進めることになっています。ですから、今国会では、おもに比例代表45議席の削減について論戦が展開されることになりそうです」

 

 2026年2月の衆院選では、自民党が289ある小選挙区のうち、249選挙区で勝利。得票率は49.2%だったものの、議席占有率は86.2%と、まさに1強という結果になった。

 

「野党はなんとか比例代表で議席を獲得できたわけで、与党が進めようとしている比例区のみ45議席削減が実施されてしまうと、中小政党である野党にとっては痛手となるため、野党はこぞって反発しています」(同)

 

 本誌は少数政党である日本共産党に、定数削減に反対する理由と、同党が主張する衆院選挙制度の抜本的改革案について聞いた。

 

 共産党は、2026年の衆院選で比例代表のみで4議席獲得したが、選挙前勢力の8議席から半減した。仮に比例代表45議席減のもとで実施されていれば、1つ減の3議席となっていた。

 

 衆議院選挙制度協議会の協議員だった日本共産党の塩川鉄也党国対委員長が言う。

 

「もともと衆議院選挙制度協議会は、現行の選挙制度にさまざまな矛盾・弊害があるということで、抜本改革の議論が始まりました。今回は協議会のなかで、私たちも含めて、各党が抜本改革の案を出しましたが、それは初めてのことです。

 

 いままで自民党とか野党第1党はきちんとした案を示してこなかった。 それを今回、初めて各党の抜本改革案が揃ったのだから、いよいよ本格的にやろうじゃないかと言っていたのに、有識者による第三者機関を設置して答申・協議を続けるというのは、我々としては同意しがたいと申し上げています」

 

 定数削減に反対する理由については、こう語る。

 

「今年の協議会で発言した有識者や首長さんら7人のなかで、定数削減を是とした人は1人もいなかったのです。国会議員というのは国民の代表です。議員の定数を減らすということは、国民の代表を削ること、民意を削るものにしかなりません。

 

 議会制民主主義の土台を掘り崩すものであるし、あわせて行政の監視機能、政府監視機能を後退させるものになります。議員定数を減らせば、国民の声はますます国会に届きにくくなります。地方の声や、女性や若者の声が届かなくなると、多くの有識者のみなさんが批判されていたのが、協議会での議論の特徴でした。

 

 そもそも、歴史的にも日本のいまの衆議院議員の議席が最も少ないという実態があるわけです。普通選挙の100年間の歴史でも、衆議院の465議席はいちばん少ない。OECDで見ても、人口比での議員数は先進国のなかで下から数えたほうが早いということでもあります。

 

 こうした点について、やはり定数削減はおかしいというのが有識者の声でもあったわけです。

 

 1925年の男子普通選挙時は、人口12万人あたり衆院議員1人で配分するとして、466議席でした。現在、人口は2倍ですが、議席は465で、過去100年で人口比あたり最少です。

 

 主要国の下院議員は、1人あたりの人口が11万人から15万人に対し、日本の衆院議員1人あたりの人口は約27万人と国際的にも少ない。私たちも議員の定数削減は多様な民意を切り捨て、排除し、国会の行政監視機能を後退させると申し上げてきました。国民の声を代弁する国会議員定数を削減するなど断じて許されません」(塩川氏)

 

 与党が進める定数削減に反対する理由は、ほかにもあるという。

 

「“身を切る改革” なんて言っていますが、そもそも過去に議員定数削減を政権が言うときは、必ず国民に増税や負担増を押しつけるときなのです。

 

 たとえば1998年、小渕(恵三)政権で自由党と公明党との連立が拡大する、その流れの直前に消費税が3%から5%に引き上げられたわけです。国民に消費増税の負担を押しつけるタイミングで『身を切ることが必要だ』と持ち出したのが議員定数の50削減だったんです。

 

 同じように、2012年、民主党の野田(佳彦)政権が定数80削減と言ったのは、消費税を5%から10%に引き上げるときの話なんです。 そういう点でもまったく道理がないと言わなければなりません。

 

 直近の定数削減がおこなわれた2016年、有識者調査会は『削減する積極的な理由や理論的根拠は見出しがたい』と答申し、法案審議で『定数削減に合理的根拠は存在しない』ことを与野党が共有したことは重要で、これが定数削減問題の国会の議論の到達点なのです」(塩川氏)

 

 そして、今回の定数削減案についても過去と同じような構図が見え隠れするとし、こう続ける。

 

「2025年10月の自民と維新の連立政権合意書のなかには、社会保障の負担増としてOTC(市販薬)類似薬の患者負担増が盛り込まれています。さらにベッド数を11万削るという形で医療費の4兆円削減も掲げています。

 

 ですから、そういった点でも社会保障の負担増を押しつける際、すり替えのために持ち出してきているのが議員定数削減であり、その点でまったく道理がないということを私たちは強く言いたい」(塩川氏)

 

 共産党は衆院選挙制度改革案について、「小選挙区制を廃止して、定数を500に戻して、11のブロックで比例代表にする」としている。塩川氏はこう話す。

 

「国会というのは主権者・国民の代表の組織ですから、国民の多様な声を反映する、そういう議会構成にしていくものです。それに一番ふさわしいのが比例代表選挙だと思っています。

 

 世界を見渡しても、OECDの国々で見ても、選挙制度について比例代表の国が全体の3分の2なんです。比例代表は国際的に見てもスタンダードで、多様な民意を反映する仕組みとしての優位性がある。

 

 いまの小選挙区制というのは、死票が約半数にのぼり、得票と議席の大きな乖離を生み出すので反対です。小選挙区制は民意を歪める形で虚構の多数議席を作り、虚構の多数議席だからこそ、まさしく強権的な政治を生み出しているという点で、その害悪は明らかです。小選挙区制は廃止するしかないということを強く求めていきます。

 

 2月の総選挙では死票が過半数となった小選挙区が全体の半数近くありました。また、小選挙区制では、1票の格差の是正のため、頻繁な区割り変更になってきます。今回も国勢調査を踏まえた確定値が出ましたが、かなりの数の選挙区がまた移動することになります。

 

 有権者の方からすれば、自分はどこの選挙区で、そもそも候補者は誰なんだと。有権者から見てこんなに頻繁に区割り変更するような選挙制度にはついていけないという話にもなってくる。

 

 そういった弊害・害悪を除くといった点で、投票価値の平等を保障し民意を鏡のように反映する比例代表がもっとも有効な制度だと考えています」

 

 共産党の提案はどこまで受け入れられるだろうか。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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