「韓国では若年世代ほど日本に対する好感度が高くなる傾向がここ10年、ずっと続いています。ただ、ファッションやカルチャーといったことならともかく、こんなことまで影響し合わなくてもという気はします」
そう呆れ顔で話すのは、性風俗などのアングラ事情に詳しいジャーナリストの萩原ミカエル氏だ。いま韓国で、日本の“トー横キッズ”を連想させる家出少女たちが社会問題化しつつあるという。
そもそも、日本の“トー横キッズ”とは、新宿東宝ビル横の周辺にたむろする若者たちを指す。コロナ禍直後から家出した少女たちが集まり、性搾取の温床になるなどして社会問題となった。
韓国では、ソウル市内の若者文化の街として知られる弘大(ホンデ)で、同じような現状が起こっている。弘大入口駅周辺の公園などにたむろする少女たちが、“弘大地雷女”と呼ばれているという。文字通り、「地雷系ファッション」に身を包んだ少女たちだ。
社会問題として最初に取り上げたのは、韓国の大手メディアのSBSだった。2023年のSBSの報道によれば、弘大駅入口6番出口付近には、通称「メンヘラ公園」と呼ばれる場所があるという。日本では、メンタルヘルスに問題を抱えている人を指す言葉として若者の間で広がった「メンヘラ」という言葉。発音・意味そのままに、韓国内でもそういった名称がつけられている。
SBSの取材を受けた少女たちは「TikTokを撮りながら遊ぶ」と話す一方で、デートアプリを通じて短時間で高額の金銭を受け取った経験なども明かしていた。
「もともと、韓国では、ソウル大学がある新林洞周辺に、援助交際でその日暮らしをしている少女たちと、それに寄生する少年たちがいました。新林洞は格安の簡易宿泊施設『コシウォン』が集まっており、受験生の需要が下がったことで家出人のねぐらに変遷したといわれています」(同前)
さらに、こうした事象は韓国だけにとどまらない。中国でも、大連などから似た現象が起き始め、すでに広州まで広がりを見せている。
「広州市には“きれはし族”と呼ばれる若者が集まる場所が複数あるようです。大卒の20代の失業率が20%を超え、深刻な状況にある中国ですが、公安の監視が直轄市よりも緩いいわゆる“2級都市”で青少年の問題が広がっています。売春を生業にしているのも同じで、日本で“立ちんぼ”と呼ばれる路上売春は、中国では塀際に並んでいる様子から“壁紙”と呼ばれているようです」(同前)
これらは、家出、経済的な困窮、若者の孤立、SNS、性搾取など、それぞれの国が抱える問題が複雑に絡み合っているのだ。もっとも、純粋なファッションとして受け入れられている例もある。フランスのパリでは、エッフェル塔脇の公園に地雷系コーデの女性たちが集まり、「エフェ横」と呼ばれているという。
SNSによって国境を越えて広がる若者文化は、それを単純に楽しむ人がいる一方で、一部では深刻な問題と結びついている。萩原氏はこう警鐘を鳴らした。
「日韓中に起きているようなことがフランスで起きない背景には、青少年の行動に対する社会の不寛容さがあります。欧米諸国は青少年への社会監視が今も非常に厳しく、深夜に徘徊していれば即座に警察が保護対象として拘束します。親も含めて、もう少し社会が青少年の行動に厳しく干渉するべきだと思いますね」
児童買春は、世界的に社会問題となっている。
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