
9月15日、沖縄県知事選で初当選後、自民党役員会に出席した古謝玄太氏(写真・長谷川 新)
10月3日に発生した、沖縄県那覇市のホテルで39歳の女性が首を絞められて殺害され、財布とリュックサックが盗まれた強盗殺人事件は、事件翌日の4日未明、米軍普天間基地に所属する海兵隊員デビン・バラード容疑者が沖縄市の歓楽街で逮捕される事態となり、沖縄県民からは「また米兵か」と怒りの声があがっている。
逮捕時、海兵隊員は『私は知りません』と容疑を否認していたというが、5日に那覇地検に送検された。
この事件について、高市早苗首相は4日、Xに《お悔やみ》《極めて遺憾》《日本政府として米側に強く抗議する》などの言葉をつづったが、会見を開くことはなかった。5日に召集された臨時国会の所信表明演説冒頭で、事件について言及したものの、SNSでは芥川賞作家の平野啓一郎氏が《こんな大問題も、ただX(公文書にあらず)に投稿するだけ。無責任の極み。記者会見しなさい》と投稿するなど、批判の声がやむことはない。
そうしたなか、2026年9月13日の沖縄県知事選挙で当選、就任したばかりの古謝玄太知事の会見にも批判が集まっている。
「犯人逮捕の一報を受けた古謝知事は当初、書面でのコメント発表を予定していましたが、県政記者クラブなどから直接取材を求められ、4日午後6時に会見を開きました。会見は全体で15分ほどでした。冒頭、知事が遺族へのお悔やみを述べたあと、『米軍の綱紀粛正、隊員教育がまったく機能していない』などと厳しい口調で語り、その後、記者との質疑応答になりました。
記者が『(駐日米国大使の)グラス大使にどのような抗議をしたのか』と質問したところ、知事はなぜか、苦笑に近い笑みを浮かべて『(抗議は)電話です。会議を開く前だったので、発言を一言一句、覚えているわけではないですが、遺憾の意は示しました』と語りました。その後も、進行係が『最後の質問で』と伝えるものの、記者から質問が相次ぐと、知事は再び苦笑を浮かべていました。
SNSでは、この笑顔に批判が殺到しています。Xにも《県民が米兵に殺され、ここで笑うのは不適切不謹慎過ぎます》などの意見が寄せられていました」(地元紙記者)
なぜ、古謝知事が笑顔を浮かべたのか真意はわからないが、企業のリスクマネジメントやトップの会見などに詳しい「リスク・ヘッジ」の代表、田中優介氏は、自然災害や事故、事件などでの会見で笑顔を見せるのはタブーだと指摘する。
「自治体の首長は『被害者の代弁者』としての役割も担っていますので、当然ながら、笑顔を見せるのは厳禁です。
苦笑いだとしても、被害者の神経を逆なですることになりますし、笑顔を見せると『この首長が再発防止に全力を傾けてくれるのか』と、住民に疑いを持たれてしまうからです。
質問をしたのがマスコミの記者であっても、その先にいるのは、被害者であり国民です。目の前にいる人に話しかけるのではなく、被害者や国民に対して言葉を届けている気持ちで、回答することに徹しなければいけません」
古謝知事が就任したばかりで「会見に不慣れだった」と擁護する声もあるが、県民にはこの会見がどのように映っただろうか。
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