
簗和生農水相への処遇が注目される高市早苗首相
「安倍晋三さんだったら、問題発言が明らかになった時点で更迭していたでしょう」
ベテラン自民党議員秘書は、2026年2月の衆院選挙で、自身を応援しなかった首長の自治体の「予算を削った」と発言した簗(やな)和生農林水産相に対する高市早苗首相の判断に、こう苦言を呈した。
「たしかに安倍氏の首相時代の“首切り”は早かったですね。2006年9月に発足した第1次安倍内閣では、4人の大臣が辞任していますが、発足直後の12月に佐田玄一郎行革相(当時、以下同))の政治資金問題が発覚すると、2日後に辞任をさせ、2007年7月に久間章生(ふみお)防衛相が『原爆投下もしょうがなかった』という趣旨の発言をした問題では、3日後に辞任させています。
第2次安倍内閣は菅義偉(よしひで)官房長官になり、辞任の判断はさらに早く、容赦ないものになります。10人の閣僚が辞任や、事実上の更迭をされていますが、2014年10月には、後援会の観劇費用を不適切に処理した政治資金の疑惑が発覚した小渕優子経済産業相と、自身の選挙区内で似顔絵が描かれたうちわを配布して公職選挙法違反容疑が持ち上がった松島みどり法相の2人を、同日に辞任させています。
問題閣僚を即座に辞任させることで、政権に与える傷を最小限にとどめたのです」(政治担当記者)
閣僚にスキャンダルが発覚すると、一時的に内閣支持率は下落するが、安倍元首相は選挙の強さもあり、長期政権を維持することができたといわれる。一方で高市首相は「党内に親しい議員が少ないこともあり、身内愛が強く、かばう傾向がある」(自民党関係者)と指摘されている。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「本来なら(簗氏は)1発アウトです」と、辞任に値する問題だと指摘する。
「自民党は、これまでも予算をちらつかせた票集めを常套手段にしていましたが、今回は『予算を削る』という、あり得ない発言ですし、簗氏の説明も極めて曖昧です。
さらにいうなら、公務員は国民のための公僕です。その国土交通省の職員に“尻拭い”をさせているのですから、大問題です」
一方で、高市首相が更迭しないことについて「理由は2つあると思います」と続ける。
「1つは『私の大事な簗ちゃん』というように、簗氏が高市首相の“お気に入り”であるということ。2つめは、衆院で圧倒的多数の議席を持っていることです。野党も、この問題に対する追及は“温度差”があります。そのため高市首相は『辞任させなくても大丈夫』と思っているのでしょう。
ただ、今後の内閣支持率に影響が出ると、更迭という判断になるかもしれません。しかしそのときは『なぜ、こんなに判断が遅いのか』という批判が国民から出ることになるでしょう」
10月5日に召集された臨時国会の会期は12月12日までの69日間。予算の削減について、真相を知りたい国民は多いはずだ。
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