
10月8日の衆院本会議に出席する簗和生農林水産相(写真・長谷川 新)
2026年2月の衆院選挙で、自身を応援しなかった首長の自治体の「予算を削った」と、5月に開かれた地元後援会の懇親会で語った簗(やな)和生農林水産相。
本人も認めたこの問題発言に、自民党内からも「大臣辞任はやむなし」の声が広がっているが、驚くことに「逃げ切りの可能性が出てきた」との指摘も聞こえてきている。
「高市早苗首相は10月8日の代表質問で『とにかく働いて仕事で返せと(簗大臣に)言っております』と簗大臣を続投させる考えを示しました。これは問題発言から5カ月が経過していることから、自発的な辞任せよ更迭にせよ、『時、すでに遅し』との判断によるものと思われます。
さらに言えば、今辞めさせると、9月の第2次高市内閣発足時に掲げた『決断』のスローガンに傷がついてしまいますからね。
高市首相自身、『憧れの人はイギリスのサッチャー首相』と明言していますが、支持者の多くも高市首相に『強い女性』であることを求めています。そのイメージを失えば、支持率にも影響が及ぶことになります」(政治担当記者)
少数与党の参院では、立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長が「簗大臣が明確な説明責任を果たすか、辞任しない限り農林水産委員会は開かせない」と宣言している。
こうした状況での「逃げ切り」は果たして可能なのだろうか。
「簗大臣にとって最初で最大の難関は衆議院と参議院の予算委員会です。高市首相出席のもと、野党は激しい質問を浴びせると思います。衆議院は13日と14日の2日間、参議院も詳細な日程は未定ですが2日間おこなうことで合意していますから、簗大臣にしてみれば、とにかく4日間耐えれば一つの山を越えることになります。
ただ、今回の臨時国会では、農林水産省が提出する法案は1本もありません。そのため、参院の野党は『農林水産委員会は開かせない』と鼻息を荒くしていますが、法案を『人質』にして簗大臣に辞任を迫ることができません」(政治ジャーナリスト)
また、永田町関係者は高市首相の「逃げ切り成功体験」を指摘する。
「8月、高市首相の秘書が、自民党総裁選や衆院選における中傷動画作成に関与した疑惑が持ち上がり、秘書の国会招致も取り沙汰されました。
高市首相は『私の事務所や陣営も、第三者に依頼して行うことはあり得ない』と否定を続け、そうこうしているうちに、国会が会期末を迎えたため追及は終わりました」
結局、国会の混乱によるしわ寄せは国民に及ぶことになるのだが……。
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