簗和生農水相(写真・長谷川新)
「更迭するなら、10月13日から始まる衆院の予算委員会前がリミットだと思っていましたが、どうやら高市首相は、簗大臣を続投させたまま突っ込むようですね。混乱必至の委員会になるでしょう」
自民党関係者は、こう表情を曇らせる。
2026年2月の衆院選挙で、自身を応援しなかった首長の自治体の「道路予算を削った」と、5月に開かれた地元後援会の懇親会で発言した簗和生農林水産相。
衆院が10月13・14日、参院が16・19日に開かれる予算委員会で、野党の追及が本格化する。
この臨時国会は、高市早苗首相が出席して、食料品の消費減税と新たな給付制度、さらにはその規模と財源をめぐる議論がおもなテーマになるはずだったが、さながら『簗大臣証人喚問』の様相を呈することになりそうだ。審議のたび重なる中断も予想される。
「与党が過半数に満たない参院では、野党が問責決議案を提出する可能性をチラつかせています。可決されても閣僚を辞任させる法的拘束力はありませんが、高市政権のイメージダウンは大きい。
また、各法案は参院で否決されても衆院に戻して再可決できますが、そうなると、ますます野党の対決姿勢が強くなり、審議拒否も視野に入ります」(政治部記者)
高市首相が更迭しない理由は定かではない。ただ、自らの発案で、全衆院議員に「希望の役職」「取り組んできた政策」などをアンケート調査。麻生太郎自民党副総裁らに頼らず、「一本釣り」した自前の内閣のため、「辞任させる決断がつかないのでしょう」(自民党議員秘書)という声も聞こえてくる。
そうしたなか、簗大臣の続行にひときわ危機感を覚えているのが、萩生田光一幹事長代行と言われている。
政治ジャーナリストの青山和弘氏に聞いた。
「萩生田氏は、早い段階から簗大臣の発言をとても危惧していました。発言が、予算をあからさまに選挙での報復に使うという、きわめて不適切なものであることに加えて、『裏金不記載に関わった旧安倍派の議員こそ、政治とカネの問題に襟を正さなければ、また批判の対象になりかねない』という危機感にほかなりません。
萩生田氏は10月2日の記者対応の前、簗大臣に『きちんと謝罪するように』と忠告しましたが、『誤解を招いた』という言い方にとどまりました。この際に、萩生田氏は周辺に『故・安倍晋三元首相の官邸ならここでアウトだろう』と嘆いていました。
簗大臣は5日になってようやく発言を謝罪撤回しますが、高市総理は依然として続投させる意向を変えていません。萩生田氏は、なんとか事態を収拾すべく動いていますが、最後は任命権者である高市総理の判断になりますから、焦燥感を強めているようです」
高市首相は、自ら傷口を広げているように思えるが……。
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