
所信表明演説をした高市早苗首相(写真・長谷川 新)
財務省が9月4日に公表した2027年度予算概算要求において、内閣官房が内閣広報室予算について、2026年度予算(約7億円)の10倍超となる約72億円を計上したことにあらためて批判が集まっている。
政治担当記者が言う。
「内閣広報室関連の概算要求は、ここ数年で4億円から12億円ほどでした。内閣広報室は首相官邸の公式XなどのSNSを所管しており、官邸からの重要政策等を発信しています。
伝わりやすい広報コンテンツ作成をおこなうための国内発信に65億円、海外発信の強化に5億円を充てるとしていますが、いきなり前年度の10倍に膨れ上がったことで、税金の無駄遣いといった批判や政府のプロパガンダになる恐れがあるなどと批判が出ていました。
10月8日の参院本会議で、高市早苗首相は『幅広い世代に関心を持ってもらえるような多彩な動画を作成、直接発信するなど、政府広報のあり方も変化にあわせて改革していく必要がある』と答弁。
立憲民主党・田名部匡代幹事長が『なぜこれほどの増額が必要なのか』と質問すると、高市首相は『政府広報は政治家の宣伝のためにおこなうものではなく、重要な政策や政府の取組を国民にわかりやすく理解いただくものとして実施される必要がある』としました。
海外発信についても、『世界に目を向ければ、安全保障環境が大きく変化するなか、近年、情報戦・認知戦が激化しており、日本の立場や政策について国際社会への発信を強化していくことも重要だ』と、正当性を主張しています」
10月12日の毎日新聞は、内閣広報費が前年の10倍の予算を要求していることに触れ、《政権の支持率上昇につなげる狙いがあるのではないか》と指摘。
9月中旬に首相官邸のYouTubeアカウントにアップされた『骨太の教室』という芸人らが登場する動画を例にあげ、《多額の税金を投じて政権に都合のよい解説をするようでは、プロパガンダになりかねない》と警鐘を鳴らした。
「この『骨太の教室』と題した25分ほどの動画は9月12日にアップされたもので、お笑いコンビの東京ホテイソンがMCとして登場。自称・骨太の方針研究家として元衆院議員でコメンテーターの杉村太蔵氏も出演しています。教室には若者、子育て中の女性、働き盛りの男性などが生徒役で出演し、政府の政策を授業風に説明します。
城内実・日本成長戦略担当大臣も出演し、長期投資による日本の成長戦略を解説していますが、バラエティ番組調のノリもあり、政府の骨太の方針2026(経済財政運営と改革の基本方針2026)について、政府方針がいかに素晴らしいかとアピールする内容になっています。
この動画についてはこれまでも複数のメディアで取り上げられ、内容に疑問を呈する声も出ていました」(前出・記者)
Xでは
《どんどん血税溶かしてるな》
《大切な税金をこんなものに使って欲しくないわ!》
《政策がスゴイというために10倍の予算をかけるのではなく、政策そのものに10倍の予算をかけたほうがスゴいと思うのですが》
などと疑問の声が相次いでいる。なお、首相官邸のチャンネル登録者数は22.8万人いるが、この動画の1.9万回しか再生されていない。
概算要求では、この72億円の内閣広報室予算のほかに、内閣府の「政府広報費」も、前年度当初予算の78.8億円から280.5億円へ約3.6倍に増やし、合わせて350億円超の巨額予算となっている。はたして、国民を納得させられるだろうか。
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