
当選直後の高市氏(写真・馬詰雅浩)
多くのウェブサイトで使用されているプログラミング言語「PHP」に重大な脆弱性が発見されたことを受け、10月21日、高市首相は自身のXで「皆様に、今夜に対応して頂きたい大至急のお願いです」と対応を呼びかけた。
同じ投稿で「可及的速やかに適用できるよう準備をお願いします」とし、修正プログラムを速やかに適用することが困難な場合は、ウェブサイト等を一時的に停止させることも有効策の1つだと付け加えた。
「高市首相は21日16時から1時間弱、市川恵一国家安全保障局長、飯田陽一内閣サイバー官ほか、警察庁と外務省、防衛省幹部と面会しています。内容は明かされていませんが、おそらくは今回の問題についてのレクチャーだったと思われます。しかしXの投稿は22時ですから、大至急というわりにはレクを受けてから5時間程度もかかっています」(大手紙政治部記者)
PHPを運営する団体のセキュリティチームは注意喚起をおこなっており、21日23時に、安全対策のための修正プログラムを公開する予定だったという。加えて、こんな裏事情もあったとIT業界関係者が声を潜める。
「OSやソフトウェアに存在するセキュリティ上の脆弱点を攻撃して不正な動作をする手法、いわゆるエクスプロイトが可能であることは、以前からPHPの運営団体からユーザーに対して注意喚起がおこなわれており、じつは22日に修正プログラムが公開される予定でした。ところが、エクスプロイトの具体的なプログラムがSNSで発見され、それが実際に運用可能であることもわかったことで、公開を前倒ししたようです。つまり、修正プログラムの公開が早まっただけで、大きな危機があったわけではありません」
実際に公開された修正プログラムを使ってアップデートをおこなったという、日本ハッカー協会の理事の石川英治氏もこう明かす。
「修正プログラムを適用するだけですから、待っていれば解決する問題です。今、止まっているHPなどは、おそらく修正プログラムによって指摘された脆弱性が解決できているかなどのチェックをしているのだと思います。確かに、エクスプロイトされればサーバー内などのデータを丸ごと盗むことは可能ですが、プログラムであるからにはバージョンアップは必要不可欠です。大騒ぎするほどのことはないんです」
アップデートすれば解決できる事案であり、緊急性は薄かった。では、高市首相がわざわざ投稿した真意は何か。ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう推察する。
「高市首相はSNSなどを利用した情報発信に熱心ですし、支持者も既存メディア経由の発信よりも歓迎しています。また、経済安保は高市首相の最優先政策として知られていますから、ネットセキュリティに関する事案だけに、何としても自分で発信したかったのだと思います。最近は官邸に引きこもり過ぎという批判もあるので、官邸でも仕事ができていることを見せたかったのかもしれません。いずれにせよ格好のネタだったんでしょうが、一般人には手立てがない事案です。かえって、世間を混乱させたと思いますね」
首相の投稿はただの“仕事アピール”にすぎなかったのか。
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