
「キングメーカー」と目される麻生太郎副総裁
「この1年、日本は間違いなく明るくなったと感じる」
自民党副総裁で元首相の麻生太郎氏は、10月22日、国会内で開かれた麻生派の会合で、発足から1年を迎えた高市早苗政権をこう評価した。延期されていた会合での発言は、政権への支持を改めて示すものとなった。
麻生氏はさらに、政権が掲げる政策について「ともにつくりあげ、法律として具現化していくのが与党議員の務めだ」と強調。参院での少数与党という状況を踏まえ、野党にも「政策に賛同してもらえるよう、真摯に呼びかけていかなければならない」と述べた。そして「おごることなく、ひたむきに国益と国民の安寧を求め、今後もやっていきたい」と語った。
ある自民党議員は、麻生氏の表現についてこう語る。
「もともと麻生さんは物事を『明るい、暗い』で表現することが多い。かつて、犬猿の仲である石破茂前首相について『暗い顔で』と揶揄したこともあった。本人が気に入っているのか、ようは褒めたければ『明るい』、逆なら『暗い』。高市政権については、具体的な政策で褒めるところがなくても、容認せざるをえないから『日本を明るくした』と言っただけですよ」
自民党総裁選では、高市首相に “力添え” したことで、実質的な後見人のような立場である麻生氏。ただ、腹のなかでは別の思惑もあるという。
「じつは、今国会の最重要法案である消費減税について、本音では賛成の立場ではありません。麻生さんは長く財務大臣を務め、財務省寄りの考えですから。
それでも高市政権を支えるしかない事情があるのです。麻生派は先の総選挙での大勝もあって約60人まで膨らんだとされますが、もともと結束は緩く、総裁候補になりえる議員も河野太郎氏に限られます。
しかも、その河野氏と高市首相の関係が良好とは言いがたい。麻生さんとしては、主流派であり続けるために、まだしばらくは自ら派閥を率いるしかないんです」(政治部記者)
そうした事情を踏まえると、今回の「日本は明るくなった」という評価には、政権を支える自らの立場を正当化し、自身を鼓舞する意味合いがあったとも思える。
ただ、高齢の麻生氏には体調面での不安が残る。
「2024年に病気で国会を長期欠席したほかは、いたって健康とされています。麻生さんも『これといった病気にかかったことがない』と以前から語っていますから。
とはいえ、86歳です。以前より痩せたようにも見え、衆院本会議では居眠りをしている姿もたびたび報じられています。番記者によれば、最近は日課になっているはずの朝の散歩も間隔を置いているといいます。
後継者とされる長男は企業家で、政界入りを躊躇しているともいいます。つまり、麻生さんは議員をやめることができない。派閥の長もそうですが、『無理して居座らないで、後任に席を譲ってほしい』と言う議員がいることは事実。それでも、麻生さんはこのまま粘り続けるでしょうね」(同)
やはり、麻生氏の「明るい」という言葉には、高市政権の評価だけでなく、本人を取り巻く政治状況への願望も込められているのかもしれない。
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