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知られざる北朝鮮の「マジック外交」その陰に日本人がいた社会・政治 2018.07.19

知られざる北朝鮮の「マジック外交」その陰に日本人がいた

『マジックを楽しむ両首脳(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)』

 

 このところ朝鮮半島をめぐる動きがめまぐるしい。アメリカも北朝鮮も「非核化」と「制裁解除」というカードをちらつかせているが、なかなか勝負の決着はつきそうにない。

 

 そんななか、北朝鮮のマジシャンが意外な活躍を見せている。最も注目を集めたのは、先の南北首脳会談の夕食会での一幕。文在寅夫妻と金正恩夫妻が緊張気味で会食に臨んだわけだが、突然、一人の手品師が登場し、その場の雰囲気を一気に和らげたのである。

 

 

 このマジシャンの男性は、テーブルに座っていた韓国の代表団から受け取った5万ウォンの紙幣を全員が見守る前で、瞬時にアメリカの1ドル紙幣に変えてしまった。

 

 その後も同様に、借りた紙幣を10ドル紙幣に、そして最後には100ドル紙幣に変える早業を披露。

 

 これには金正恩の妹の金与正も大喜び。韓国の代表団からは「すごい! 彼がいれば、北朝鮮は輸出しなくても、いくらでも外貨が手に入るじゃないか」と驚嘆の声が相次いだ。

 

 彼はキムという名の北朝鮮の手品師。なにしろ、北朝鮮は知られざるマジック大国である。朝鮮戦争の最中の1952年、建国の父・金日成の鶴の一声でサーカス団とマジック学校の設立が決められた歴史がある。

 

 毎年、4月15日の金日成の誕生日前後の1週間は「マジック週間」となり、各地で大小さまざまなマジックショーが展開されている。アメリカの有名なデビッド・カッパーフィールドも「北朝鮮のマジシャンは世界レベルだ」とお墨付きを与えたほどだ。

 

 米朝は、表向き核問題を軸に緊張関係が続いているが、マジシャン同士の交流は盛んである。実際、アメリカのマジック界の大物たちが頻繁に北朝鮮で公演を繰り広げている。

 

 日本では報道されていないが、この7月15日まで韓国の釜山では3年に1度の「マジック界のオリンピック」と称される「世界マジック競技大会」が開催されていた。50カ国から2300人のマジシャンが参加。

 

 大会には主催国の韓国から北朝鮮へ招請状が送られており、もし北朝鮮からマジシャンが参加すれば、「マジックによる南北統一イベント」も繰り広げられる予定だった。

 

 残念ながら、韓国の要請に対して、北朝鮮は応じなかった。どうやら、「現状ではマジックでも南北統一は難しい」ということであろう。

 

 しかし、注目すべきは、北朝鮮のマジックを進化、発展させてきた背景に日本人マジシャンが関わってきたことである。その人物の名前は安田悠二。

 

 韓国の東釜山大学の教授であるが、日本マジック界でも大御所的な存在だ。日本のみならず、韓国や北朝鮮をたびたび訪問し、マジックの指導に尽力してきた。

 

 先の南北首脳会談後の夕食会で手品を披露し、文在寅や金正恩をうならせたマジシャンも、この安田悠二の弟子である。

 

 北朝鮮の指導者を喜ばせる技量を持つ日本人は決して寿司職人だけではない。金正日などはマジック熱が高じて二代目引田天功を平壌に招待し、その後もラブコールを続けた。

 

 現在の最高指導者・金正恩も大のマジックファンである。日本には意外な交渉カードがあることを知るべきであろう。(国際政治経済学者・浜田和幸)

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