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『カメラを止めるな!』原作者が語る「僕がどうしても許せないこと」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.08.22 06:00 最終更新日:2018.08.22 06:00
自身が手掛けた舞台を映画『カメラを止めるな!』にパクられたと告発した6氏(32)。
現在、『カメラを止めるな!』のエンドロールには「原案」のクレジットが載っているが、その背景にあった上田慎一郎監督(34)ら制作側とのやりとりを和田氏が明かす。
「上田監督のインタビュー記事を読んだら、『2013年に観た、とある劇団のとある舞台を観て影響を受けて、この脚本を書いた』とコメントしていた。
違和感を覚えたので、上田監督と連絡を取っていた元劇団員に『なんで監督は劇団名や作品名を出してくれないの?』と聞くと、『プロデューサーの指示らしいよ』と。
僕が命懸けでやっていた劇団があまりに軽んじられている気がして、7月18日に上田監督に連絡を取ったんです。『せめて、原作という形で劇団名、作品名を入れてくれませんか?』と」
翌日、上田監督からは「『企画開発協力 劇団PEACE 和田亮一』でいかがでしょうか」と返事が来たものの、製作にいっさい協力していなかった和田氏はあくまで「原作」の形を主張した。
後日、市橋浩治プロデューサーも交えて、上田監督と再度話し合いの場を持つが、製作側は頑なに「原作」としてのクレジットを拒否。
「劇場公開の館数も増えているいま、エンドロールを直すとなると、いろいろなところに迷惑がかかる。原作かどうかをハッキリさせるには時間もかかるし、クレジットの表記は今日決めたい」
と告げられた和田氏は、「後で『あのとき納得したでしょ』と言わないでくださいね」と前置きをして、渋々いったんは「原案」という口約束での提案を受け入れた。
「即日返答を迫られたことに、やはり納得ができなかったので、弁護士に相談のうえ、後日、再度『原作』のクレジットを要求しました。
その後、市橋プロデューサーから原案利用契約が提案されましたが、権利を買い取る内容でした。
原案使用料を含め、今後想定される諸々の二次使用料を含めた買い取り額も、映画の大ヒットで得られる収益を考えると、明らかに違和感を覚える金額でしたし、舞台をもとにした作品にもかかわらず、映画を舞台にリメイクする権利なども、すべてあちらが有するという一方的なものでした」
本誌は和田氏が主張する経緯など個別の事実確認について市橋プロデューサーに取材を申し込んだが、個別回答を拒否された。
一躍時の人となった上田監督は、映画のパンフレットでこう語っている。
「有名で経験豊かなキャストがいるわけでもなく、売れている原作もない、お金も時間もない、そんな“ノーボーナス”の状態でこの作品がつくれたことは監督として自信になりました。『俺、実力あるかも?』って(笑)」
(週刊FLASH 2018年9月4日号)