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免震データ改竄KYB会長の「地味な自宅」と「庶民派趣味」

社会・政治 投稿日:2018.10.26 06:00FLASH編集部

免震データ改竄KYB会長の「地味な自宅」と「庶民派趣味」

 

 農林水産省の入る中央合同庁舎第1号館(本館)は、国の基準を満たさない「不適合」。大阪府庁本館は、適合か不適合かもわからない「不明」。
  

 建物の免震・制振装置のトップメーカー・KYBと子会社・カヤバシステムマシナリーによる免震データ改竄問題は、いまだ全貌が見えない。

 

 

 問題になっているのは、油の粘り気を利用して衝撃や振動を和らげる装置「オイルダンパー」の検査データ。

 

 国交省やKYBによると、改竄は2000年3月から2018年9月まで18年半の間続けられ、じつに987件の建物で、不正な製品、疑いのある製品が使われている。検査数値が基準値と40%以上ずれた物件もあるという。

 

「(検査で不適合になった場合)製品の分解や調整に3時間から5時間かかることが、書き換えをした一因だと思う」

 

 10月16日の会見で納期の問題が不正につながったと説明したのは、KYBの中島康輔会長兼社長執行役員(62)だ。

 

「中島会長は慶應大学を卒業し、1979年にKYBの前身である萱場工業に入社。2005年に取締役、2015年に社長に就任し、今年6月に会長兼任になったばかり。散歩と銭湯通いが趣味な庶民派だ」(同社関係者)   

 

 その中島会長の自宅は、都内の私鉄の駅から歩いて5分ほどのところ。52坪の土地に立つ2階建てだ。

 

 売り上げ約1994億円(2018年3月期)の大会社の会長宅にしては地味な建物で、もちろん免震オイルダンパーなどついているようには見えない。登記簿を見ると、親の代から住む土地に、2008年に家を新築したようだ。

 

 同社が問題の物件名の一部を公表する会見を開いた10月19日朝、会長宅を訪ねたが、泊まり込みで対応に追われていたか不在。インターホンにも応答がなかった。

 

 19日の記者会見で発表された物件は官公庁に限られたが、実際には住宅がいちばん多く、可能性のある物件は265件に及ぶとみられる。

 

 中島会長が取締役になる前から始まっていた不正は、会長になった2カ月後に発覚した。改竄発覚後も1カ月にわたり出荷を続けていた企業風土を、改める道のりは遠い。

 

(週刊FLASH 2018年11月6日号)

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