社会・政治
安田純平さん、暗号で意思を託した妻はヒーリングシンガー
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.11.02 15:18 最終更新日:2018.11.02 15:18
「解放に尽力いただいたみなさまに、御礼と深くお詫びを申し上げます。私の行動によって、日本政府が当事者にされてしまった。私には、その経緯について説明する責任があります」
11月2日、シリアで3年4カ月に渡って拘束されていた安田純平さん(44)が会見に臨み、拘束から解放までの全経緯と、現在の心境を語った。
安田さんは、シリアに入るため、トルコ側の国境近くで深夜待機中、ガイトが様子見で不在のとき、別の方向から入ってきたシリア人から『シリアに行こうか』と声をかけられ、思わず一緒に入ってしまったという。
「おかしいと思いながら歩き続けてしまった。これは自分でも、どうしてなのかわかりません」
その後、監禁が始まるが、当初は「ゲスト」と呼ばれ、丁寧な対応を受けた。
日本との交渉の折り、本人確認と生存確認のため、安田さんは奥さんからの質問メールに回答した。そのとき、
《1)Okuhouchi》
というメッセージを入れたのだが、
「これは私が妻を『おく』と呼んでいて、ふだんから『私になにかあっても放置してくれ』と言っているので、今回も放置と伝わるのではないか」と暗号を送ったのだという。
安田さんが、暗号を理解できると信じて自分の意思を託した妻・深結さんとは、どのような人物なのか。2人は、2009年4月に結ばれた。結婚パーティの出席者の一人はこう振り返る。
「会場は渋谷の音楽ホール。式自体は親族と挙げていたようで、手作り感のある立食パーティでした。イラクの復興にも関わっていた奥さんが歌を披露する場面もありましたね」
じつは深結さんは、「Мyu」名義で活動するヒーリングシンガーで、知る人ぞ知る有名歌手なのである。
「深結さんは、島根県親善大使や出雲観光大使を務め、出雲大社の式典で何度も歌を披露しています。神社仏閣で歌う活動で知られています。
かねてから彼女は、権宮司の千家国麿さんとは家族ぐるみのつき合いがあり、高円宮家の次女・典子さまとの結婚式にも出席しています」(社会部デスク)
10月25日夜、安田さんは帰国して奥さんと再会。体調確認などのため入院した本人に代わって深結さんが会見を開き、「1人で大変だったな、夫がそう言ってくれたことが、心に残りました」と語っている。
会見後の質疑応答で、「今後の活動をどうするか」と報道陣から問われた安田さんは、少し間を置いてこう答えた。
「家族には何もしないように言ったのですが、私が思っていた以上に立派な対応をしてもらったと感謝しています。
家族には私が取材する内容は伝えていません。私自身が判断したいと思っているからです。ただ、特に両親が高齢だったりして、私がいない間に何かあったりしますと(大変なので)、今後の取材の仕方は、もうちょっと慎重に考えたいと思っています」
いまはただ、再会の喜びを家族で分かち合っている。