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50億円疑惑で逮捕「カルロス・ゴーン」が日産を復活させるまで社会・政治 2018.11.19

写真:AP/アフロ

 

 日産自動車のカルロス・ゴーン代表取締役会長(64)が、11月19日、東京地検特捜部に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕された。自らの報酬を5年にわたって、合計約50億円も少ない額を有価証券報告書に記載していたという。

 

 ゴーン会長は、1999年、支援に入ったフランスのルノーから送り出され、日産の最高執行責任者に就任。破綻寸前だった日産を復活させた。

 

 

 1980年代、技術で世界一を目指す「901運動」を開始した日産は、R32型「スカイラインGT-R」やZ32型「フェアレディZ」、P10型「プリメーラ」など名車を次々に生み出した。

 

 1988年には、高級セダン「シーマ」が爆発的にヒットするが、バブル崩壊後、風向きが変わる。労使対立、高コスト体質に加え、マーケティング戦略やデザインの方向性の失敗を招き、1990年代後半の経営危機に向かうことになる。

 

 主力の座間工場を閉鎖するなど、経営破綻寸前まで陥った日産にルノーの支援が入ったのは、1999年のことだ。資本参加を含むグローバルな提携契約を結び、カルロス・ゴーン氏が経営に参加する。

 

 東京・村山工場、日産車体京都工場など、国内5工場の閉鎖に加え、2万1000人の人員削減など、大規模な合理化案を発表するが、連結最終赤字は6843億円。深刻な経営危機は止まらず、「フェアレディZ」も生産中止となった。

 

 だが、2001年、ゴーン氏が主導してきた「日産リバイバル・プラン」が奏功する。4年ぶりに連結最終利益3311億円の黒字転換となり、晴れてゴーン氏は社長兼最高経営責任者(CEO)に就任するのだ。

 

 2002年、「フェアレディZ」が復活し、「ブランド・オブ・ザ・イヤー」に選出され、名実ともに、日産は復活する。

 

 日産は2016年に三菱自動車を傘下に収めており、仏ルノーと日産の3社連合で、2017年にトヨタ自動車を抜き、世界第2位の自動車メーカーとなっている(1位はフォルクスワーゲン)。こうした躍進は、ゴーン氏の手腕によるところが大きいのは言うまでもない。

 

 とはいえ、ゴーン氏の高給は有名で、有価証券報告書によれば、毎年9億円から11億円ほどの役員報酬を得てきた。役員報酬の開示が始まった2010年3月期以降、およそ90億円得ていることがわかっているが、実際はさらに50億円の報酬があったことになる。

 

 なぜ役員報酬をごまかしていたのかは今後の捜査を待たないとわからないが、実はフランスでは、以前から経営者の高額報酬に対する批判が高まっていた。

 

 ルノーは日産株の4割超を保有しているが、そのルノーの筆頭株主はフランス政府だ。日産への影響力を強めたいフランス政府と、それを防ぎたいゴーン氏は激しい対立をしており、その流れの中で、ゴーン氏は激しい批判を浴びていたのだ。

 

 今回の逮捕でゴーン氏の影響力が減れば、今後、フランス政府の日産への干渉が強まる可能性もある。

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