社会・政治
女性戦場ジャーナリスト「美しいゲリラの瞳に突き動かされて」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2018.12.14 16:00 最終更新日:2018.12.14 16:00
「なぜ危険地域に行くんだ」――。シリアでテロ組織に拘束され、3年4カ月ぶりに帰国した安田純平氏には、こんなバッシングが吹き荒れた。そんななか、あえて「危険地域」を取材する女性が増えている。
本誌は女性戦場ジャーナリストの1人、ラペリン 雅さん(23)を取材した。
「私がクルド人を撮りはじめたきっかけは、19歳のときに見たジョーイ・Lの写真です。彼の撮ったクルド人ゲリラを見て、『これほどきれいな目をした人々がなぜ戦争をするのか』純粋に知りたいと思いました。
取材中、胴体がちぎれた死体を見ることもありました。しかし、戦場の写真を撮っていることで、家族や友人から何か言われることはありません。
イスラム教徒同士の戦いでは、神聖なモスクが攻撃されることはありません。窓の外には破壊された家々。女性がひとり、お祈りしていました。それが上の写真です。
私がジョーイ・Lに影響を受けたように、私の写真を見て「なぜ戦うのか」と疑問を抱いてくれる人が多いです。
たしかに、『結婚して家庭を持つ』といった幸せは今の私にはありません。クルド人の団結力や絆の深さに憧れますし、私もいつかそんな家族が欲しい。ですが、今ではない。
将来については自分でもまったくわからないんです。写真で成功したいというよりも、今はただクルド人のことが好きだから撮りに行っているだけなんです」
らぺりんみやび
2016年よりトルコ、イラクのクルド人居住区への渡航を始め、計1年間、現地で写真を撮影。取材資金はアルバイトで賄う
(週刊FLASH 2018年12月18日号)