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外国人留学生の「バイトはつらいよ座談会」もっと働きたいのに
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.01.22 06:00 最終更新日:2019.01.22 06:00
2019年4月、改正出入国管理法が施行される。これにより、外国人労働者の受け入れが拡大される見込みだ。
一方で、外国人留学生には原則就労が認められていない。が、制限付きの「資格外活動許可」を得て、多くの学生がアルバイトにいそしんでいる。彼らに、日本で働くなかで、苦労していることを聞いた。
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【座談会参加者】
・A君/中国出身・25歳(男性)、コンビニエンスストア勤務で時給は1000円
・Bさん/台湾出身・26歳(女性)、家電量販店勤務で時給1300円
・C君/ミャンマー出身・25歳(男性)、ディスカウントストア勤務で時給1000円
・Dさん/中国出身・23歳(女性)、持ち帰り寿司店勤務で時給900円
A「みんな留学ビザで、週に28時間しか働けないのは、大変じゃないですか?」
B「少しでも超えると、お店の責任になるみたい。だから私のお店では、残業が出てもいいように『週26時間まで』のルールです。時間が限られるので、少しでも時給のいいバイトを探すんです」
C「僕は、『最初の時給は1000円、そのあと昇給があります』と聞いて、期待してバイトを始めました。でも、なかなか上がりません。しかも後輩が入ってくると、その留学生を教える担当もしなくちゃならない。これで同じ時給なんて……」
D「ただ、学校で教わらないことを覚えました。私はお寿司屋さんで働いているので、中トロとかウニとか、寿司ネタに詳しくなりました(笑)」
C「僕の働いている店は、近くに野球場があって、応援に使うメガホンがすごく売れるんです。『メガホン』ていう言葉は、そこで覚えました」
A「でも、コンビニのバイトは覚えることが多くて。日本はタバコの種類がいっぱい。あと、おでんも、厚揚げとさつま揚げとか、写真を見ないとわからない」
C「それから、早口の日本語についていけません。うちのお店はインカムを耳につけて、店内の連絡をするんですが、日本人の上司が慌ててしゃべると『何を言っているの?』ってなる。ノイズも入るし……」
B「私もそのバイトしていたので、わかる! そういうときに限って『外国人のお客様なので、対応お願いします』っていう、私を呼んでいる連絡だったりするんです」
D「最近は外国のお客様も、多いですよね」
B「私は英語もできるので、『外国人対応』と書いたバッジをつけて、売場にいるんですが、この間、ベトナムのお客様が時計を買いに来て。日本語も英語も中国語も通じなくて、『腕のサイズを測らせて』と伝えるのが大変でした」
A「そういうことで、突然の残業があるから、時間制限が厳しくなるんでしょうね」
D「うちのお店は、残業はありません。でも困ったことがあって……。余ったお寿司を店長さんがくれるんですが、私、生の魚が食べられないんです。家に帰ってから焼いて、シャリの上にのせて食べてます」
B「生の魚が嫌いなのに、お寿司屋さんのバイトなの!?」
D「家からすごく近いんですよ。私たち、勉強がけっこうハードだから、バイトの場所も重要じゃないですか?」
A「たしかに学校が忙しくて、自由な時間は少ない。遊ぶのにもお金がかかるから、一度スカイツリーの下まで行ったけど、戻ってきちゃった」
C「勉強は大変だけど、日本で暮らしていくのはもっと大変。せめて、もう少し働ける時間が増えるといいです」
(週刊FLASH 2019年1月22日号)