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日本国内にいる中国人スパイ、一説には5万人!

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.03.22 20:00 最終更新日:2016.03.22 20:00

日本国内にいる中国人スパイ、一説には5万人!

中国大使館(グーグルアースを加工)

 

 

 最近、4人の日本人が「スパイ活動」をおこなったという理由で中国当局に拘束されていたことが判明した。

 

「いずれも素人の民間人で、専門的な訓練も受けていない。国際的な常識からは、とても“スパイ”とはいえないでしょう」(前出・産経新聞中国総局・矢板明夫氏)

 

 遼寧省で逮捕された元脱北者の男性(55)は、中国語がまったく話せず、浙江省で軍事管理区に侵入して逮捕された男性(51)は、たんなる“軍事オタク”という情報もあると矢板氏は言う。

 

「日本の公安調査庁の依頼を受けていたと報道されましたが、日本の公安当局は外国の情報収集に関して法整備も人材育成も大幅に遅れており、予算も少ない。外国に“スパイ”を送り込む余裕などないはずです。今回のスパイ事件は、新たな反日の材料でしょう」

 

 中国では昨年、反スパイ法が施行された。

 

「海外勢力の浸透を防ぐ」ことが目的というが、「今後も反日を目的とした日本人スパイのでっち上げが続く可能性があります」と矢板氏は警告する。

 

 一方、日本は「スパイ天国」といわれて久しいが、その実態が明るみに出ることはほとんどない。だが、これまでいくつか表沙汰になった事件もある。

 

 たとえば、2012年5月には、現職の中国大使の一等書記官がスパイ活動をおこなっていたことが発覚した。

 

「李春光事件」である。李(当時45)は、日本の米や農産物を中国に輸出する対中輸出促進事業で、当時の鹿野道彦農水相や筒井信隆農水副大臣に接触する。

 

 一見、日中の友好関係を取り持つようにしか見えなかったが、鹿野農水相と筒井副大臣は更迭された。李によって機密情報が盗まれた結果ととられている。

 

 じつは警視庁公安部は、李を「中国人民解放軍総参謀部第2部」に所属するスパイとみて、長期の行動監視を続けていた。

 

「中国のスパイ組織のひとつが、中国国家安全局で、もうひとつが人民解放軍総参謀部の第2部です。第2部は、海外に要員を派遣し、情報源やスパイ網の構築にあたり、軍事・政治・経済情報を収集する部署です。李は公安筋では有名な人物で、常に尾行がついていたようです」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏)

 

 李は公安用語でいう「影響力のエージェント」だった。中国に有利な世論を誘導する役割だ。

 

「中国の対日工作には2つの目的があります。ひとつは親中派を増やすこと。もうひとつはハイテク情報を手に入れること。中国は広く浅く網を広げるため、ひとつひとつの工作は現地の公安に引っかからないレベルに収める。

 

 だから、日本国内では女をあてがったり、大きな買収工作はしません。それでも、集めた情報を本国に持ち帰れば、巨大なアナリスト軍団によって分析され、情報が組み立てられていく。そういうシステムは中国がいちばん進んでいます」

 

 李のケースは、中国の外交官がスパイとして立件された初の事例となったが、立件は「外国人登録証の不正更新」という微罪だった。日本にはスパイを罰する法律がないからだ。結局、李は外交官特権で“お咎めなし”のまま帰国。

 

「北朝鮮やロシアと違い、中国は日本の法律を研究しつくしていて、絶対に立件されないギリギリのところを突いてくる。だから、なかなか立件されないのです」(黒井氏)

 

 日本国内にいる中国人スパイは3万人とも、5万人ともいわれている。中国人スパイはどこにでもいる。日本にこそ、反スパイ法が必要だ。

 

(FLASH+ 2015年12月5日増刊)

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